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政治的に悪化する核をめぐる国際環境
- カテゴリ: 政治・紛争・平和
- 2013年3月03日(日曜)15:00に公開
【国連IPS=タリフ・ディーン】
核をめぐる国際政治環境はますます悪化しつつあり、脅しと非難、国連安保理決議への明白な反抗であふれている。
長く待ち望まれている、フィンランドが主催予定の中東非核兵器地帯化に関する国際会議の実現は、未だ程遠い状況にある。大量破壊兵器の廃絶を目的とした核兵器禁止条約(NWC)にしても然りである。
そして2月12日、北朝鮮が国連の警告を公然と無視して3回目の核実験を強行した。一方、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師は、イスラエルの核戦力が西側世界の暗黙の承認を得ている中東において、イランは核兵器を保有する権利を留保している、との認識を示した。
|米国|民間シンクタンク「イラン核武装化でもサウジアラビアは追随しない」
- カテゴリ: 政治・紛争・平和
- 2013年2月27日(水曜)15:00に公開
【ワシントンIPS=ジム・ローブ】
著名なシンクタンクが19日にワシントンで発表した報告書で、米国政界の一般通念に反して、イランの近隣諸国、とくにサウジアラビアは、イランが核兵器を取得してもそれに追随することはないだろうとの見通しを示した。
『核の王国:もしイランが核兵器を作ったら、サウジアラビアはそれに続くか?』と題された49ページの報告書は、サウジアラビア政府は「イランの核兵器に対抗するために、何らかの形の核抑止力を取得することに強い動機を持っている」と述べている。
しかし、自ら核開発に走ったり、あるいは、(パキスタン政府との緊密な関係にもかかわらず)同国から核を取得したりするよりも、はるかに高い確率で米国の核の傘の下での庇護を求めることになるだろうという。報告書を出したのは「新アメリカ安全保障センター」(CNAS)で、バラク・オバマ政権の国防総省や国務省に多くの人材を輩出している団体である。
|スリランカ|出稼ぎ問題|体に打ち込まれた釘は「幸運にも」24本で済んだ
- カテゴリ: 人権問題
- 2013年3月05日(火曜)15:23に公開
【コロンボIPS=アマンタ・ペレラ】
スリランカ南部マタラ出身のラハンダプレゲ・アリヤワティさん(52)は、サウジアラビアにおける自分の体験は比較的軽く済んでよかった、と思っている。体に打ち込まれた釘が幸運にもわずか24本だけで済んだからだ。
彼女は、2011年初めに故郷に家を建てるのを夢見てサウジアラビアに渡航し、家政婦として働いた。しかし5ヵ月後、体のあちこちに生々しい傷を負って帰国することになった。彼女は雇い主から懲罰として熱した鉄釘を皮膚に打ち込まれていたのだ。
故郷の自宅前で取材に応じたアリヤワティさんは、「あの程度で済んだのは幸運だと思うわ。もっとひどい目にあっていた可能性は十分あるのだから。」と語った。
モルヒネは痛みを殺すが、その値段は患者を殺す
- カテゴリ: 健康・公衆衛生
- 2013年1月17日(木曜)15:00に公開
【ブラワヨIPS=ブサニ・バファナ】
ギリー・ヌクベさん(仮名)が4時間ごとに必要とするモルヒネの錠剤60錠分を買うために18ドルを稼ごうとすると、娘の鶏肉売りでは2週間もかかってしまう。
失業率が70%にも達している国で、モルヒネ錠剤(1錠10mg)60錠入の瓶が18ドルというのは法外な金額である。これだけあれば、パン6斤を買うことができる。
しかし、農村部に暮らすヌクベさんのような患者には、選択の余地がない。彼女が痛みから解放されて夜眠るためには、モルヒネに頼る以外の手段がないのである。
|マリ|キリスト教徒もイスラム教徒も―「私たちは皆、テロリストの被害者だ」
- カテゴリ: 文化・芸術・宗教
- 2013年2月16日(土曜)15:00に公開
【モプティ(マリ)IPS=マルク-アンドレ・ボワベール】
マリ中部のモプティにある福音教会の入り口では、ルーク・サガラ神父が日曜の集会を執り行う中、兵士らが戸口の両脇を固めていた。
こうしたマリ政府軍兵士の存在は、この街が僅か3週間程前まで、シャーリア法を適用しようとする反政府イスラム過激派集団によって占領されていたという事実を物語っている。
サガラ神父はIPSの取材に対して「今は安全です。フランスが介入したので、もうイスラム教徒が私たちを攻撃することはないと思っています。」と述べた。
すべてが不明瞭な原子力計画
- カテゴリ: 環境・資源・エネルギー
- 2013年2月04日(月曜)15:00に公開
【ニューデリーIPS=ランジット・デブラジ】
約5年前にインドが世界の原子力産業に迎え入れられたとき、経済成長のエンジンとなる石炭などの化石燃料への依存からこの国はすぐに脱却することになるだろうと多くの人々が考えた。
インドには、19基の原子炉から4000メガワットを発電する国産の原子力産業があり、1974年にインドが核実験を行って以来、米国が主導してきた(軍事目的に使用される可能性のある原子力関係設備やその構成要素)禁輸措置に対抗していた。
中国で高まる大豆需要を背景に変貌を遂げる西半球の農業(レスター・ブラウン、アースポリシー研究所創立者)
- カテゴリ: 食料問題と農業
- 2013年1月12日(土曜)06:25に公開
【ワシントンIPS=レスター・ブラウン】
この数十年の間に、世界における大豆の需要は、中国を筆頭に急増してきた。今日、国際貿易で取扱われる大豆の80%が中国向けのもので、中国は群を抜いて世界最大の大豆輸入国になっている。
大豆栽培は、今から約3000年前に中国東部で始まったとされている。しかし大豆が小麦、米、トウモロコシと並んで世界4大穀物の一つに数えられるようになったのは、第二次世界大戦後、しばらく経ってからであった。
大豆の需要が高まった背景には動物栄養学者による画期的な発見があった。つまり、家畜や家禽に与える飼料穀物(通常トウモロコシ)4に対して、大豆ミール(大豆油を絞り取ったあとの大豆の粕を粉砕して作られた粉末)を1の割合で混ぜ合わせることで、穀物の動物性タンパク質への変換効率が飛躍的に高まることが明らかになったのである。
|イエメン|売り買いされ虐待にさらされる女性たち
- カテゴリ: 人口・移住
- 2013年1月08日(火曜)04:23に公開
【アデンIPS=レベッカ・ムレイ】
アイーシャ(20歳)は、2人の子どもを強く抱き寄せながら、自身に降りかかった恐ろしい経験について語った。ソマリアの首都モガディシュで育った彼女は4年前に恋に落ち、未婚のまま最初の子どもを出産した。それを知った家族が「名誉を汚した」として彼女の命を脅かしたため、やむ無く家出したという。
アイーシャは、より良い人生を求めてブローカーを頼りにイエメン行きの密航船に乗り込み、危険なインド洋を渡ってきた。
|カンボジア|疲労困憊してもマッサージ嬢らに休息なし
- カテゴリ: 教育・女性と子ども
- 2013年2月25日(月曜)02:27に公開
【プノンペンIPS=ミシェル・トルソン】
人口の3割以上が貧困線(一日当たりの所得が1ドル)以下の生活を送るこの東南アジアの国(人口1400万人)では、労働者は厳しい現実に直面している。正規雇用を見つけるのは難しく、多くの人々が、最低賃金の規定もなく労働法もほとんど遵守されない「インフォーマルセクター」での就労を余儀なくされている。
先日、高級スパのマッサージ嬢らが起こした労働争議をきっかけに、労働者の人権が最も侵害されやすい分野のひとつとみられている「娯楽産業」の実態に光があてられることになった。
|米国メディア|選挙、暴力、天災が2012年報道の首位を占める
- カテゴリ: 報道とコミュニケーション
- 2013年1月21日(月曜)15:00に公開
【ワシントンIPS=ジム・ローブ】
権威あるティンドール・レポートが発表した最新の報道年次報告によると、2012年の間に米3大ネットワーク(ABC, CBS, NBC)が取り扱ったイブニングニュースで首位を占めたのが、大統領選挙(1位)、米国内及び中東における暴力事件(2位)、米国を襲った天災に伴う事件(3位)であることが明らかになった。
また同レポートによると、ロンドンオリンピックと英王室関連のニュースが、シリア内戦関連のニュースを除いて、いかなる国やニュースよりも大きく取扱われるなど、2012年は英国が注目を大きく浴びたことがわかった。