課題

年間約 1 兆件のコミュニケーション (電話、メッセージ、チャット、ビデオ、メール) を支えている Twilio (TWLO) は、世界各国で数十万社が利用している顧客エンゲージメント・プラットフォームです。Twilio は、あらゆる市場の新たな顧客に卓越した決済エクスペリエンスを提供することを目標に、新たな海外市場への展開を続けています。同社は、カード発行会社による支払い拒否や、それによって起こり得る不本意な解約を減らし、収益を最大化する高いオーソリ成功率によって大規模なグローバル取引を可能にする決済代行業者を探していました。大企業の場合、 オーソリ成功率が 1% 増加しただけでも、大幅な増益が見込めます。

ソリューション

Twilio は複数の大手グローバル決済代行業者を対象に A/B テストを実施して、Visa、Mastercard、American Express、Discover、ダイナース、JCB などのカードネットワークでのオーソリ成功率をモニタリングしました。テストは、カードの種類、ブランド、発行国、取引規模、取引の種類など、多数の取引属性により、決済経路がランダム化されるように設定されました。数週間に及ぶ A/B テストの結果、Twilio は Stripe を選択しました。

「オーソリ成功率が全体で最大 10% アップしました」と Chris Nasson 氏 (Twilio インベスターリレーションズおよび財務担当ディレクター) は語っています。

結果

Twilio のオーソリ成功率は以前の決済代行業者に比べて 10% アップしました。Stripe との提携により達成した 10% の内訳は、次のとおりです。

Stripe のグローバルな決済インフラ により 5.5% 向上

Stripe を利用して、Visa、Mastercard、アメリカン・エキスプレスといった主要なクレジットカード会社と直接提携し、日本、EU、米国などの重要市場で、現地の支払い方法に対応できるようになりました。

「当社のエンジニアは、支払い処理が圧倒的に難しい市場の 1 つである、日本市場での固有の要素や複雑さに煩わされる必要はありません。Stripe は新しい市場に参入する際の複雑さをすべて取り除いてくれ、当社の運営に余裕をもたらしました」

Adaptive Acceptance により 1% 向上

米国ではカード発行会社であると同時にアクワイアラでもある Stripe は、カード発行会社がどのように対応するのかを熟知しており、またそれを確認するテストを通じて、Twilio の代理として高いオーソリ成功率を実現しています。支払いが拒否された場合、Stripe の Adaptive Acceptance 機能は機械学習によって把握した、最適化されたルーティングと ISO メッセージングを使用して支払いをリアルタイムで再試行します。これがオーソリ成功率の向上と、失われる可能性のあった売上の回収に役立ちます。Adaptive Acceptance により、Twilio は支払い拒否の問題を軽減でき、昨年は 1% のオーソリ成功率向上につながりました。

「Stripe は徹底してイノベーションを追求しています。この好例が、オーソリ成功率の向上に使用される機械学習モデルです。Adaptive Acceptance だけでオーソリ成功率が約 1% アップしました。我々が労力を費やすことは一切なく、これはまさに Stripe の開発努力の成果にほかなりません」

自動カード更新機能 により 2% 向上

Stripe の自動カード更新機能により、収益が 2% 向上しました。この機能は、保存されたカードの有効期限が過ぎたりカードが新しいものに差し替えられたりした場合に、認証情報を安全に自動更新してくれます。

継続的なコンサルティングおよびサポート により 1.5% 向上

支払いを最適化する優秀な製品群だけでなく、継続的なコンサルティングおよびサポートの提供も、Twilio が Stripe を選んだ理由の 1 つです。Stripe のスペシャリストチームは Twilio の取引の種類と頻度を分析して、住所確認処理を標準化し、現地での利点を活かすことにより、オーソリ成功率を最適化する方法を特定しました。

「Stripe のアカウントマネジメントチームのおかげで、移行をスムーズに進めることができました。Stripe は、プラットフォームをより有効に活用するための新しいアイデアも提供してくれました。具体的な提案のすべてが約 1.5% の増収につながったのです」と Chris Nasson 氏は語ります。Stripe はオーソリ成功率を左右する細かい要素だけでなく、Twilio の製品と目標についても深く理解し、改善が必要な分野を見極めるためのサポートによって同社の成長に貢献しました。