立方数
(立方和から転送)
立方数(りっぽうすう、cubic number)とは、ある数 n の三乗(立方)となる数である。例えば 125 は 53 であるので立方数である。自然数の最小の立方数は 1 であり、小さい順に列記すると
- 1, 8, 27, 64, 125, 216, 343, 512, 729, 1000, 1331, 1728, 2197, 2744, 3375, 4096, 4913, 5832, 6859, 8000,9261,10648,12167,13824,15625 …(オンライン整数列大辞典の数列 A578)
個数が立方数である点を、縦・横・高さの三方向に等間隔に並べることで正六面体(立方体)の形を作れることから、「六面数」と呼ばれることもある。例えば216個の点は、縦・横・高さの一辺にそれぞれ6個ずつ並べることで正六面体の形を作ることができる。なお、負の整数の立方数は、(-7)3 = -343 のように負の整数となる。
立方数の性質[編集]
1を除く全ての立方数は、2つの平方数の差として表される。
立方数の列の第2階差数列は公差 6 の等差数列であり、第3階差数列は定数列 6である。したがって立方数の列は3階等差数列である。
フィボナッチ数列に現れる立方数は、1 と 8 のみといわれている。
立方数を2つの立方数の和として表すことはできない。
詳細は「フェルマーの最終定理」を参照
立方数のうち平方数でもある数は n6 と表せる。また、約数を7個持つ数は全て素数を6乗した数である。
立方数の和[編集]
- 1からn 番目の立方数 N = n3 までの和は、
- となる。つまりn番目の三角数の2乗に等しい。したがって、次の等式が成り立つ[1]。
- これは、1 から n 番目までの立方数の和が、1 から n までの自然数の和 (三角数) の2乗に等しいことを意味している。具体的には
- この値は 1.202056903159594… であり、アペリーの定数とよばれる。
- 2通りの方法で、2つの立方数の和として表される最小の自然数は、1729 = 123 + 13 = 103 + 93 である。負の整数を含めると絶対値最小は 91 = 33 + 43 = 63 + (-5)3 、ただし 0 と 1 は除く。
- 3連続整数の立方和は 9, 36, 99, 216, 405, 684, 1071, 1584, 2241, 3060, 4059, 5256, 6669, 8316, 10215,…である。(オンライン整数列大辞典の数列 A027602)
- 4連続整数の立方和は 36, 100, 224, 432, 748, 1196, 1800, 2584, 3572, 4788, 6256, 8000, 10044,…である。(オンライン整数列大辞典の数列 A027603)
- 5連続整数の立方和は 100, 225, 440, 775, 1260, 1925, 2800, 3915, 5300, 6985, 9000, 11375,…である。(オンライン整数列大辞典の数列 A027604)
- 3連続以上の整数の立方和で表せる立方数は 216, 8000, 33075, 64000, 89559, 105525, 164800, 188784, 189189, 216000, …である。(オンライン整数列大辞典の数列 A265845)
- 上記の立方数の中で、1つの連続整数の組でしか表すことができない立方数は 216, 8000, 64000, 216000, …である。(オンライン整数列大辞典の数列 A131643)
立方数と立方和[編集]
- 63 = 33 + 43 + 53
- 93 = 13 + 63 + 83
- 203 = 73 + 143 + 173 = 113 + 123 + 133 + 143
- 663 = 313 + 333 + 353 + 373 + 393 + 413
その他の関連[編集]
SI接頭語のk、M、Gなどはそれぞれ 103, 106, 109 であり、立方数である。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ この性質は視覚的に証明が可能である。“PROBLEM COLLECTION”. 2015年3月12日閲覧。
外部リンク[編集]
- Weisstein, Eric W. "CubicNumber". MathWorld (英語).