コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)大手のCloudflareが月曜、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用した次世代のWeb3ネットワークの実験を開始することを発表した。実験はEthereumで行われ、Cloudflareはビーコンチェーンにおけるバリデータノードとして稼働すると明かした。
CloudflareはCDNやDNSなどネットワークの安定性を手掛ける企業で、様々な実験的テクノロジーにも積極的に参与してきている企業でもある。
4年前にはIPFS(InterPlanetary File System)への実験を開始し、「分散型テクノロジーへの投資を行ってきたが、改めて最先端の技術を進歩させるための一連の実験を開始するときが来た」と発表で述べている。
CDNはコンテンツ配信網とも呼ばれ、同一コンテンツを複数拠点で同時に配信することで配信サーバーへの負荷を分散させ、距離的要因によるレスポンスの遅延も解消するテクノロジーであり、IPFSもファイルの分散配置ということで思想的親和性は高いカテゴリである。
Cloudflareはこれまでのブロックチェーンテクノロジーが環境に与える影響が膨大なものであり、web3テクノロジーの負の面であったと認めている。環境への取り組みもまたインターネットの安定性とともに重要視すべき項目であるとCloudflareは語り、今日になり環境への取り組みのバランスを取り、より良いインターネットの構築を支援するための環境が整ってきたと述べた。
PoSバリデータノードを操作するための電力は従来のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)マイニングと比較して遥かに小さいとCloudflareは説明。イーサリアム財団の説明によればネットワーク全体で2.6メガワットの電力使用量が見積もられて、現在よりも99.5%少なくなると言われている。
Cloudflareは「今年後半にイーサリアムはPoSエコシステムへと移行することが計画されており、これは次世代のweb3ネットワークの構築を支援する取り組みの始まりに過ぎない」と語り、暗号化、Web3、およびインフラストラクチャコミュニティ全体のパートナーと協力して、環境的に持続可能で、安全で、非常に高速な次世代のブロックチェーンエコシステムの作成を支援していくと述べた。