オーストラリア海軍

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王立オーストラリア海軍
Naval Ensign of Australia.svg
創設 1911年
国籍 オーストラリアの旗 オーストラリア
忠誠 エリザベス2世
兵科 海軍
任務 海戦
上級部隊 オーストラリア国防軍
モットー : Serving Australia with Pride
「プライドと共にオーストラリアに尽くせ」
記念日 7月10日
主な戦歴 第一次世界大戦
第二次世界大戦
朝鮮戦争
ベトナム戦争
湾岸戦争
アフガニスタン紛争
イラク戦争
指揮
最高司令官 ピーター・コスグローブ
国防大臣 デイビッド・ジョンストン
海軍司令官 ティム・バレット
識別
軍艦旗 Naval Ensign of Australia.svg
国籍旗 Flag of Australia (converted).svg

オーストラリア海軍(オーストラリアかいぐん、Royal Australian NavyRAN)はオーストラリアが保有する海軍。正式に訳すと王立オーストラリア海軍である。

概要[編集]

オーストラリアの独立以来イギリス海軍(王室海軍)と密接な結びつきがあり、イギリス海軍の旧式艦を受領して運用する例も多い。

海軍司令部はケズウィックブリンバホバートにある。

運用している艦の名前にはHMAS (Her/His Majesty’s Australian Ship) をつけて呼称する。

大規模な海軍力を有するわけではないが、第二次世界大戦においてはイギリス海軍と共に枢軸国と戦った。

歴史[編集]

誕生[編集]

1901年にオーストラリアが事実上の独立を達成する以前から、植民地である各州には海上軍事組織が結成されていた。1901年以降はそれらが統合されたものの、依然として海上防衛の主力はイギリス海軍が担っていた。本格的なオーストラリア海軍の構築は、1909年以降のことである。

第一次世界大戦[編集]

オーストラリア海軍艦隊による観艦式

第一次世界大戦ではイギリス海軍の指揮下で、太平洋、インド洋、大西洋で船団護衛などを行ったほか、ガリポリの戦いに参加した。軽巡洋艦シドニーは、ドイツ海軍のエムデンを撃沈した。また、大戦中はイギリス海軍に巡洋戦艦1隻を貸与し、戦後に復帰したが間もなく軍縮条約により解体処分とされた。

第二次世界大戦[編集]

オーストラリアは1939年9月、ドイツに宣戦布告した。その時の海軍の陣容は、重巡洋艦2隻、軽巡洋艦4隻、駆逐艦5隻などであった。1940年中頃から地中海での対イタリアの戦いに参加した。軽巡洋艦シドニー(2代目)カラブリア沖海戦スパダ岬沖海戦に参加し、イタリアの軽巡洋艦バルトロメオ・コレオーニや駆逐艦エスペロ撃沈に貢献した。9月には重巡洋艦オーストラリアダカールでフランスの駆逐艦を撃破した。

オーストラリアの駆逐艦5隻は元イギリス海軍の中古艦であり、ドイツ側から「屑鉄戦隊」と揶揄されたが、貴重な戦力として活用されたことで後には5隻の愛称になった。

インド洋では、1941年9月、シドニーがオーストラリア西方海域でドイツの仮装巡洋艦コルモランと交戦し、両艦とも沈没した。コルモランの生存者は居たがシドニーの生存者はいなかった。

1941年12月の日本の参戦後は多くの艦艇がオーストラリアに戻され、周辺警備にあたった。1942年3月のバタビア沖海戦で軽巡洋艦パースを失った。オーストラリア海軍は5月の珊瑚海海戦にも参加した。5月に日本の特殊潜航艇によるシドニー港攻撃が、6月には潜水艦によるシドニーニューカッスル砲撃がおこなわれている。1942年8月の第一次ソロモン海戦では日本海軍との砲雷撃戦で重巡洋艦キャンベラを失った。

第二次世界大戦でオーストラリア海軍は計30隻の艦船を失った。

第二次世界大戦後[編集]

海上船舶臨検(VBSS)訓練を行う掃海潜水員支隊(CDT)チームの隊員達

第二次世界大戦後は、イギリスのマジェスティック級航空母艦マジェスティックを購入し、メルボルンとして運用していた時期があった。

装備[編集]

員数[編集]

海軍には14,215人の兵士と2,150人の予備役が所属している。

艦艇[編集]

ジェーン海軍年鑑 』より。

過去に就役した艦艇については「オーストラリア海軍艦艇一覧」を参照。

フリゲート アンザック(HMAS Anzac)

潜水艦[編集]

コリンズ級 ×6隻
コリンズ(73 Collins) - 1996年
ファーンコム(74 Farncomb) - 1998年
ウォーラー(75 Waller) - 1999年
デシャニュー(76 Dechaineux) - 2001年
シーアン(77 Sheean) - 2001年
ランキン(78 Rankin) - 2003年
アタック級 ×9~12隻(2020年代~2050年代にかけて建造予定)

駆逐艦[編集]

ホバート級 ×1隻(2隻建造中)
ホバート(39 Hobart) - 2017年就役
ブリスベーン(41 Brisbane) - 2018年就役
シドニー(42 Sydney) - 2019年就役予定

フリゲート[編集]

アンザック級(MEKO 200型)×8隻
アンザック(150 Anzac) - 1996年
アランタ(151 Arunta) - 1998年
ワラムンガ(152 Warramunga) - 2001年
スチュアート(153 Stuart) - 2002年
パラマッタ(154 Parramatta) - 2003年
バララット(155 Ballarat) - 2004年
トゥーンバ(156 Toowoomba) - 2005年
パース(157 Perth) - 2006年
ハンター級フリゲート英語版×9隻[1]
ハンター(Hunter)
フリンダース(Flinders)
タスマン(Tasman)

強襲揚陸艦[編集]

キャンベラ級 ×2隻
キャンベラ(Canberra) - 2014年
アデレード(Adelaide) - 2015年

揚陸艦[編集]

ベイ級 ×1隻
チョールズ(L100 Choules) - 2011年再就役
トブルク級
トブルク(L50 Tobruk) - 1981年

哨戒艇[編集]

アーミデール級 ×14隻
アーミデール(83 Armidale) - 2005年
(84 Larrakia) - 2006年
バサースト(85 Bathurst) - 2006年
オールバニー(86 Albany) - 2006年
ピリー(87 Pirie) - 2006年
メートランド(88 Maitland) - 2006年
アララット(89 Ararat) - 2006年
ブルーム(90 Broome) - 2007年
バンダバーグ(91 Bundaberg) - 2007年
ウロンゴン(92 Wollongong) - 2007年
(93 Childers) - 2007年
ローンセストン(94 Launceston) - 2007年
メアリーバラ(95 Maryborough) - 2007年
(96 Glenelg) - 2008年[2]

特設掃海艇[編集]

バンディクート級 ×2隻 曳船兼用
バンディクート(Y298 Bandicoot)
ワラルー(Y299 Wallaroo)

沿岸掃海艇[編集]

ヒューオン級 ×6隻
ヒューオン(82 Huon) - 1999年
ホークスベリー(83 Hawkesbury) - 2000年
ノーマン(84 Norman) - 2000年
ガスコイン(85 Gascoyne) - 2001年
ディアマンティナ(86 Diamantina) - 2002年
ヤラ(87 Yarra) - 2003年

掃海用標的[編集]

MSD ×3隻
MSD02-04

海洋観測艦[編集]

パルマ級 ×4隻
パルマ(A01 Paluma) - 1989年
マーメイド(A02 Mermaid) - 1989年
シェパートン(A03 Shepparton) - 1990年
ベナラ(A04 Benalla) - 1990年

調査船[編集]

リーウウィン級 ×2隻
リーウウィン(A245 Leeuwin) - 2000年
メルヴィル(A246 Melville) - 2000年

調査艇[編集]

各種 ×9隻
ファントム(1005 Fantome)
メダ(1006 Meda)
ダウフケン(1008 Duyfken)
トム・サム(1009 Tom Thumb)
ジョン・ガーランド(1010 John Gowlland)
ジオグラフ(1011 Geographe)
カスアリナ(1012 Casuarina)
コンダー(1021 Conder)
ワイアット・アープ(ASV01 Wyatt Earp)

DSRV[編集]

レモラ(Remora)

帆走練習艦[編集]

ヤング・エンデヴァー(Young Endeavour) - 1988年
ソルトホース(Salthorse)

練習船[編集]

シーホース・マーケイター(Seahorse Mercator) - 1998年

給油艦[編集]

シリウス(O266 Sirius) - 2006年
デュランス級 ×1
サクセス(OR304 Success) - 1986年

試験艦[編集]

シーホース・ホライズン(Seahorse Horizon) - 1984年
シーホース・スタンダード級 ×2
シーホース・スタンダード(Seahorse Standard) - 1980年
シーホース・スピリット(Seahorse Spirit) - 1980年

魚雷揚収船[編集]

各種 ×3
ツナ(TRV801 Tuna)
トレヴァリー(TRV802 Trevally)
テイラー(TRV803 Tailor)

ランチ・艀[編集]

各種 ×4隻
ワラビー(331 Wallaby)
ウォンバット(332 Wombat)
ウォリガル(333 Warrigal)
(334 Wyulda)
ワトル級 ×3
ワトル(CSL01 Wattle)
ボロニア(CSL02 Boronia)
テロピア(CSL03 Telopea)

水中作業母船[編集]

各種 ×4隻
シール(2001 Seal)
(2003 Malu Baizam)
シャーク(2004 Shark)
ジュゴン(21689 Dugong)

港内曳船[編集]

各種 ×7隻
タマー(DT2601 Tammar)
(DT1801 Quokka)
(Seahorse Quenda)
(HTS501 Bronzewing)
(HTS502 Currawong)
(HTS504 Mollymawk)
(Seahorse Chuditch)

航空機[編集]

2011年6月現在。『ジェーン海軍年鑑 2011–2012』より。

固定翼機[編集]

  • ボーイング737 AEW&C × 6機
  • ロッキード AP-3C オライオン × 18機
  • マグダネル・ダグラス F/A-18 ホーネット × 68機
  • ボーイング F/A-18F スーパーホーネット × 24機

空軍所属とするより古い資料あり(Military Balance 2009)。

回転翼機[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Wroe, David (2018年6月28日). “British frigate program to seed Australia's own warship industry, Turnbull says” (英語). The Sydney Morning Herald. 2018年6月28日閲覧。
  2. ^ オーストラリア海軍公式HPより補完。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]