楽天市場におけるマルチスクリーン最適化とオーディエンス データを用いたターゲティング戦略

2014年10月14日火曜日 | 9:30

Labels:

Posted by E-Commerce 業界担当 インダストリーマネージャー 本橋徹 / 営業統括部長 小野雄高


 rakuten_logo.png


インターネット・ショッピングモール「楽天市場」を中核に、多岐にわたる分野で事業を展開する楽天株式会社の経営理念は、インターネットを通じて人々と社会に力を与えること(エンパワーメント)です。「楽天市場」は世界的にもユニークな B2B2C 型のマーケットプレイスで、売り手には小規模でも出店できるようにシステム、トラフィック、ノウハウを提供、膨大なデータを元に科学的なメディア運営に取り組んでいます。

テクノロジーをフル活用する一方で、年数回開催の「楽天スーパーSALE」では 100 時間で 80 回以上(開催回により異なる)のページ更新を行っており、人手をかけてバザールの賑わい感を表現しています。この事例では、昨今のマルチスクリーン化に対応するデバイス別サイトの最適化と、オーディエンス データを使用したターゲティング戦略への取り組みをご紹介します。


導入の背景と戦略


楽天市場のモバイルからのアクセスはここ数年で急増し、利用者の半数以上が複数デバ イスを使うマルチスクリーン ユーザーとなっています。これに対応すべく、PC からスマートフォンへの重心移動が同社の課題となっていました。そこで現状を正確に把握するため、さまざまなデータを分析したところ、楽天市場のモバイル ユーザーは新規率が高く、マルチスクリーン ユーザーは客単価の高い「優良顧客」に育つ、ということがわかりました。(図 1 参照)


rakuten g1.2.png
(図 1)  クロスデバイスと年間顧客単価


モバイルへの投資の必要性は明確でありながら、検索・商品閲覧はモバイルで行い、購入は PC で行うようなクロスデバイス利用者も多く、従来のデバイス別の計測では、PC と比べてモバイルの CVR が低いことにより、高 CPA を招いていたことが投資への課題となっていました。

そこで、短期的な KPI 指標ではなく中長期的収益を考慮した新たな KPI 指標として、ライフタイムバリュー(LTV)ベースの ROI を導入(図 2 参照)しました。この KPI をベースにモバイルへの投資を増やし、モバイルの売り上げ増加と、CVR 改善を目的とした施策を展開することになりました。

rakutang2.png
(図 2 )LTV を考慮した新しい KPI 指標


施策における工夫とポイント


具体的な施策としては、デバイス別に細かい入札設定ができる入札単価調整を Google AdWords に導入。これまでは入札を弱めていた未購入ユーザーも、3 年先までの LTV をプロダクト単位で試算し、KPI を再設定しました。さらに新規率が高いキーワードを特定し入札を強めたり、デバイスに適したクリエイティブを設定するなど、マルチスクリーン最適化を意識した、緻密な入札単価調整を行いました。

Google ディスプレイ ネットワークでは、オーディエンス データを活用したターゲティングの最適化を実施。【ロイヤリティ】と【行動履歴】など、1 つのセグメントに対して、効果が見込めそうなもう 1 つのセグメントを掛け合わせて効果を検証しました。

段階的にこのテストを繰り返しながら、効果の高い組み合わせを精査し、最適なセグメントを設定していきました。その上で、流入媒体ごとにフリクエンシー キャップをかけて、リーセンシーの高いユーザーへの入札を強化するなど、戦略的に施策を展開しました。

全体を通して工夫した点として、多種データからデバイス毎の性別、年代、利用時間帯、購 入傾向を分析し、パーソナライズおよびデバイスに最適化したコンテンツの AB テストを繰り返し実施しました。そして短いスパンの PDCA(Plan/Do/Check/Action)サイクルを徹底してまわすことで、成果を高めました。


施策後の成果


入札単価調整、マルチスクリーンに適した KPI の再定義、オーディエンス データを活用したターゲティング施策の結果、優良顧客の育成に成功。日々の AB テスト、PDCA サイクルの積み重ねの結果、新規顧客の獲得効果の高いモバイルへの索連動型広告投資を、適正な ROI 基準を満たしながらも 1 年間で約 4 倍に増やすことができました(図 3 参照)。また 3 か月間で訪問数を 4 割以上増やしながらも、CVR を 9% 改善(図 4 参照)するなど、質と量の双方で大きな成果が出ました。

      
(図 3) モバイル向け索連動型広告投資の推移        (図 4) 施策前後のモバイル CVR 比較


今後の展望



「楽天では、成果に直結する施策を重視し、常に改善と事業の拡大を意識しています。 モバイル売上シェアが 40% を超えている中、マーケティング戦略として今後注力していこ うと考えているのは、オムニチャネル、O2O、クロスメディア、カスタマージャーニー、動画などです。さまざまな新しいマーケティング ツールを活用しながら、さらにオーディエンスを細かく分類した上で、最適な広告露出、広告表現などに磨きをかけていきたいです。」
(楽天株式会社 執行役員 メディアプランニング統括、楽天市場事業 編成部 部長 河野 奈保 氏)

DSC_4964.JPG

*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。
-------------------------------------------------------------------

楽天株式会社
http://www.rakuten.co.jp/
• インターネット・ショッピングモール「楽天市場」を中核に、電子書籍、トラベル、銀行、証券、クレジットカード、電子マネー、ポータル&メディア、オンライン マーケティング、プロスポーツなどのサービスをネット上からワンストップで提供

動的リマーケティングがすべての業種で利用可能に

2014年10月10日金曜日 | 9:30

Labels:

Posted by Jyoti Vaidee - 動的ディスプレイ広告担当プロダクト マネージャー

小売業向けの機能として提供が始まって以来、動的リマーケティングは、Bebe StoresNetshoesBuild Direct などさまざまな企業に活用され、成果向上や収益拡大に貢献してきました。この動的リマーケティングは、今後数週間のうちに、ホテル、航空券、不動産、個人広告、求人、自動車、金融、教育など、すべての業種でご利用いただけるようになります。

動的リマーケティングの特徴とメリット


顧客にとって最も意味のある情報を強調
動的リマーケティングでは、ユーザーが過去に皆様のウェブサイトで参照した商品や、関心を持ちそうな関連商品をピックアップし、そのユーザー専用の広告を表示することができます。

たとえば自動車を販売していて、何百種類もの車種やモデルを複数の都市で展開しているとします。 動的リマーケティングを利用すると、ユーザーが過去にサイトで参照した車種や、同じ都市で扱っていて価格帯も近い車を強調するなど、ユーザーごとに最適な広告を表示できます。

複数の業種で実施したベータテストでは、通常のリマーケティングと比べて平均でコンバージョン率が 2 倍向上、コンバージョン単価は 60% 低下という結果が出ています。*

*成果は広告主様によって異なります

マルチスクリーン時代に適した広告テンプレート
リマーケティング キャンペーンのターゲットにモバイルを含めると、同じ費用で平均 15% コンバージョンが増加するという結果も出ています。動的リマーケティング テンプレートはすべてモバイル向けに最適化されており、さまざまなデバイスでシームレスに広告を掲載することができます。

自動入札機能と組み合わせてコンバージョンの価値を最大化
動的リマーケティングと自動入札機能を組み合わせると、パフォーマンスが向上するよう、最適な入札単価がリアルタイムで計算されます。たとえば 80,000 円のカメラと 2,000 円の懐中電灯を販売している場合、2,000 円のコンバージョンよりも 80,000 円のコンバージョンを獲得しやすくなるよう、自動調整が可能です。その結果、コンバージョンの件数だけでなく、コンバージョンによって得られる価値の総額も最大限に伸ばすことができます。

その他、詳しいメリットについてはこちらをご覧ください。


動的リマーケティングの活用事例


旅行業界ではHotel Urbano が動的リマーケティングを活用しています。同社では、1 種類の広告で最も関連性の高い旅行プラン、ホテル、クルーズなどを表示できる動的広告を作成。通常のリマーケティングと比べて投資収益率 38% 向上、収益 415% 増加という成果を収めました。同社シニア マーケティング アナリストの Mariana Filippo 氏は、これによってビジネス効率が向上したと話します。「183 か国にわたって展開している 4,000 以上の旅行プランを、日々広告の変更に追われることなく宣伝できるようになりました。動的広告なら、当社のビジネスのスピードにあわせて、適切な広告を適切なユーザーに届けられます。」
航空券では Jet Airways が大きな成果を上げています。同社では、ニューヨークからロンドンへの航空券を探しているユーザーに対してその日のビジネスクラスの割安チケットを宣伝するなど、ユーザーが探しているフライトの目的地やタイミングに応じて広告をカスタマイズできるようにしました。リマーケティング戦略に動的広告を組み込むことで、同社はコンバージョン単価を 65% 削減しながら 2 倍のコンバージョン獲得に成功しています。
ローカル取引ではインド最大のオンライン B2B マーケットプレイスである IndiaMART が良い例です。同社は動的リマーケティングによって既存顧客に新しいサプライヤーを推薦し、コンバージョン単価を 60% 抑えつつ取引案件数を 400% 増加させることに成功しました。同社プロダクト マーケティング マネージャー Saugata Halder 氏は次のように話します。「当社のようなマーケットプレイス事業では、提供する商品の幅広さをアピールすることが不可欠です。動的リマーケティングのおかげで、大規模な顧客セグメントに対してパーソナライズされた広告を表示し、マーケティング成果を最大限に高めることができました。」

ご利用方法


ご利用方法について詳しくは、AdWords ヘルプセンターの設定ガイドをご覧ください。Google アナリティクスをご利用の場合、既存タグを使った動的リマーケティングの導入方法を Google アナリティクスのヘルプセンターで解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

AdWords API のレポート ダウンロード数制限について

2014年10月3日金曜日 | 10:00

Labels:

Posted by Ray Tsang, AdWords API Team

これまでは、開発者トークンのアクセス権がベーシック  アクセスの場合でも、一日あたりのレポート ダウンロード数については制限がありませんでしたが、2014 年 10 月 8 日より、アクセス権がスタンダード  アクセスではない場合には、AdWords API を通じたレポート ダウンロード数が一日あたり 1,000 に制限されます。この新しい制限は、AdWords API プラットフォームの一貫性と高い品質を担保するために導入されました。

もし、お持ちの開発者トークンのアクセス権がスタンダード アクセスの場合には、今回の制限は適用されません。

お持ちの開発者トークンのアクセス権がベーシック アクセスで、一日のレポート ダウンロード数が 1,000 を超える場合には、今回の制限の影響を受けます。

今回の変更にスムーズに対処いただくため、

  1. 今回の変更で影響を受ける開発者トークンのアクセス権を、一時的にスタンダード  アクセスへ引き上げました。2014 年 10 月 24 日以降も一日 1,000 件以上のダウンロードをご希望の場合は、この日までにスタンダード アクセスにお申し込みください。
  2. 該当する開発者の皆様には、2014 年 9 月 24 日頃に、メールにてスタンダード アクセスのお申込みのお願いのご連絡を差し上げました。

重要: AdWords API に関する重要なご連絡は、API センターに登録されているメールアドレス宛に送られる場合がございます。こちらのメールアドレスが最新のものか、定期的にご確認ください。

もし、現在のアクセス権がベーシック アクセスで、将来、一日あたりのレポート ダウンロード数が 1,000 を超えることが見込まれる場合にも、スタンダード アクセスへお申し込みをご検討ください。

「ウェブサイトのマルチスクリーン対応」に関するサイトのご紹介

2014年9月30日火曜日 | 10:30

Labels:

Posted by Nabil Haschemie, Product Marketing Manager, Mobile Ads

http://www.google.co.jp/think/multiscreen/

ユーザーは常にネットに接続し、複数のデバイスを使って、友達とのコミュニケーション・買い物・ゲームなどを楽しんでいます。そしてスマートフォンやタブレット、PC からテレビまで、あらゆるスクリーンを快適に楽しめることを望んでいます。

あらゆるスクリーンで快適に操作できるウェブサイトであれば、ユーザーとの接点を広げ、コンバージョンを増やすことができます。このたび Google では、マルチスクリーン対応のガイドとなるホワイトベーパーや成功事例を掲載した「ウェブサイトのマルチスクリーン対応」サイトを公開しました。
http://www.google.co.jp/think/multiscreen/

マルチスクリーン社会で成功するためには、どのデバイスでも簡単に情報を見つけ、アクセスできる優れたユーザー エクスペリエンスを実現し、ユーザーのニーズに応えることが重要です。今回のホワイトペーパーでは、下記についてまとめておりますのでご活用ください。

  • マルチスクリーンへの対応策とウェブサイト制作における様々な施策のご紹介
    • Google では今回 AnswerLab 社と協力し、ユーザーがどのようにモバイルサイトを利用しているかを知るための調査を実施しました。調査結果をベースに、お客様を楽しませ、コンバージョンを促すモバイルサイト設計の 25 の指針をまとめております。
  • ウェブサイトの読み込み速度を測るテストサイトや、優れたユーザー エクスペリエンスの事例集
  • マルチスクリーン対応をサポートするパートナー企業のリスト
    • 御社サイトのマルチ デバイス最適化をサポートする Google 推奨ベンダーをご覧いただけます。

ローカル在庫広告を日本でもご利用いただけるようになりました

2014年9月26日金曜日 | 9:30

Labels: ,

Posted by Christina Ilvento - Google ショッピング プロダクト マネージャー

スマートフォンの普及に伴って必要な情報をいつでも入手することができるようになり、買い物客がお気に入りの店を見つけるときも、インターネット検索を利用することがますます増えています。

昨年、Google では米国の小売業者向けに、実店舗の付近にいる買い物客に商品を宣伝できるローカル在庫広告のサービスを開始しました。その米国で好調な結果を得られたことを受けて、このたび、日本、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアでもローカル在庫広告をご利用いただけるようになりました。



ローカル在庫広告の仕組み


ユーザーが商品を検索すると、付近でその商品を販売している実店舗のローカル在庫広告が表示されます。広告をクリックすると、店舗詳細ページが開き、その商品の詳細情報を確認できるほか、その店舗で取り扱っている他の商品も見ることができます。また、営業時間や行き方を確認したり、電話で直接問い合わせたり、お店のウェブサイトをチェックしたりすることも可能です。

ローカル在庫広告は Google Merchant Center で管理を行うローカル商品フィードを基に生成されるため、各商品アイテムの最新の価格と在庫情報を店舗別に表示することができます。


ローカル在庫広告を利用するメリット


  • ローカル商品の在庫状況、価格、店舗情報を表示することによって、客足と売上の向上を図ることができます
  • オンライン ショップと実店舗のどちらでも商品を購入できることを示すことで、ユーザーが購入方法を選択できるようになります。また、実店舗でしか取り扱っていない商品を宣伝することもできます。
  • 顧客に応じて最適な方法で広告を掲載できます。たとえば、携帯端末を使用しているユーザーには常にローカル在庫広告を表示するように設定することができます。また、クリスマスから年末年始の繁忙期にはパソコンと携帯端末の両方にローカル在庫広告を表示することで、販売促進を図ったり、商品の発送ができない年末年始にかけてはオンライン ショップよりも実店舗に客足が向くようにすることができます。

ローカル在庫広告を利用する


実店舗を経営されている小売業者様で、ローカル在庫広告にご興味をお持ちの場合は、Google の担当者にお問い合わせいただくか、ローカル在庫広告の概要ページで詳細をご確認いただき、参加希望フォームよりご連絡ください。

ローカル在庫広告をご利用いただけない小売業者の皆様には、モバイル版の商品リスト広告をご活用いただくことで、ローカル在庫広告と同様、スマートフォン経由での検索をお店の売上につなげていただけます。モバイル版の商品リスト広告は、Google ショッピングを利用できる 23 か国すべてでご利用いただけます。

3 つの Google サービスで検索広告を完全自動化 - 運用コストの低減とコンバージョン数の拡大に成功

2014年9月24日水曜日 | 9:30

Labels: , , ,

Posted by  大迫 正治 - パフォーマンス ソリューション エキスパート, 近藤 なつ美 - アカウント マネージャー

livesense logo.png

アルバイト求人サイト「ジョブセンス」や転職求人サイト「ジョブセンスリンク」といった求人を始めとするインターネット メディアを運営する株式会社リブセンス。ユーザー ニーズが多様化し、ダイナミックに移り変わる市場環境に、柔軟かつスピーディーに対応するビジネス戦略が求められています。この事例では、動的検索広告検索広告向けリマーケティング リストコンバージョン オプティマイザーを戦略的に組み合わせて活用し、大きな成果を出した取り組みをご紹介します。


導入の背景と戦略



アルバイト求人業界においては、より自分に合った仕事を見つけたいという求職者のこだわりやニーズの多様化を背景に、求人サービス提供各社が様々な対応を行っています。検索連動型広告においても、「バイト」「求人」などビッグワードの CPC が高騰している一方で、多様化するニーズを捉えるスモールワードへの細かな対応が業界全体の課題となっています。リブセンスも、リアルタイムに更新される豊富な求人の一つ一つに、限られた人員で対応する難しさを課題としていました。

そこで、多様化するニーズを的確に捉えながらも、完全自動化で運用効率を向上させるため、動的検索広告、検索広告向けリマーケティング リスト、コンバージョン オプティマイザーという 3 つの Google サービスを戦略的に導入しました。


施策における工夫とポイント


動的検索広告は、ウェブサイトのコンテンツに関連性の高い検索語句を自動的に抽出し、適切な広告文とリンク先ページ URL を自動生成することで、最も関連性の高いページにユーザーを誘導することができます。そこで、アルバイト求人サイト「ジョブセンス」の随時更新される求人詳細ページに対して適正な求職者をタイミング良く誘導するため、動的検索広告を導入しました。

また、求人詳細ページに含まれるキーワードは多様なため、見込み顧客(求職者)ではないユーザーによる検索語句にも、動的検索広告が配信される可能性があります(例えば、エステ予約が目的のユーザーが「エステ」と検索した際に、エステサロンの求人ページに含まれる「エステ」という語句が反応して、エステサロンの求人広告を表示するケースなど)。

そこで、検索広告向けリマーケティング リストを併用することで、ターゲットとしたい求職者、すなわち「ジョブセンス」のサイトを過去に訪問したことがある人に優先的にアプローチする戦略をとりました。具体的には、検索広告向けリマーケティング リストを使って訪問者に絞って広告を配信したり、コンバージョン オプティマイザーを併用して訪問者、未訪問者双方に配信しつつ、訪問者への入札を強化したりすることで、新規獲得の拡大を目指しました(図 1 参照)。


livesense g1.png
(図 1 )施策全体の概念図


また、ウェブサイトへの最終訪問日に応じて「1 日前」「7 日前」「30 日前」などのリマーケティング リストを作成し、コンバージョン オプティマイザーが各リスト内のユーザーに対して入札単価をきめ細かく調整するよう設定しました。さらに豊富な広告文やサイトリンクを入稿するなど、広告の関連性を最大限に高めることで、コンバージョン単価の低下とコンバージョン数の最大化ができる環境を整えたことも施策のポイントです。


施策後の成果


今回の施策による成果は驚くべきものでした。3 つの Google サービスを併用した検索連動型広告によって、コンバージョン単価は 2% 低下し、コンバージョン数は 30% 増加しました。特に、モバイルからのコンバージョン数は 36% 増加し、増加総数の 64% はモバイル経由となりました。

施策前から、クリックが発生する検索語句は PC よりモバイルのほうが 57% 多いというユーザー傾向はわかっていましたが、モバイル検索からの多様な検索語句に個別対応することは、労力的に大きな課題となっていました。動的検索広告がそうした幅広い検索語句を自動でカバーし、コンバージョン オプティマイザーでデバイス別に適した入札を自動で行うよう設定した結果、モバイルからのコンバージョンが大きく拡大する結果となりました(図 2 参照)。


livesense g2.png
(図 2 )施策後の成果


今後の展望


今回の成果を受け、リブセンスでは、検索広告向けリマーケティング リストや 3 つのサービスの併用を、転職サイト「ジョブセンスリンク」や不動産賃貸サイト「door賃貸」などへ展開しています。また、運用時間の短縮で新しい施策に取り組む余裕ができたため、ディスプレイ広告で潜在顧客にリーチした後に、今回確立した検索広告の手法でコンバージョンを促すというサイクルの構築に取り組んでいます。

「今回のような複数の手法の併用は初めての取り組みでしたが、実際の運用は簡単で効果抜群の組み合わせでした。組み合わせ運用という Google からの提案は、われわれの課題に対する適切な施策だったと思います。全面的な自動化で運用時間を短縮しつつ、コンバージョン数を大幅に拡大できました。これは、弊社における検索連動型広告の運用方法が変わるほどのインパクトのある結果でした。

個々の広告グループのインプレッション シェアも劇的に改善し、効率的な広告配信ができるようになりました。最適化の手法が一段上に進んだと感じています。今回得た知見を発展させながら、成功事例を増やしていきたいと思います。」株式会社リブセンス アルバイト事業部/キャリア事業部兼任 Adグループリーダー 岩崎 亮 氏

photo.png


*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。
-------------------------------------------------------------------

 株式会社リブセンス
http://www.livesense.co.jp/
アルバイト求人サイト「ジョブセンス」をはじめ、転職求人サイト「ジョブセンスリンク」、派遣社員求人サイト「ジョブセンス派遣」、不動産賃貸サイト「door賃貸」 、転職クチコミサイト「転職会議」などのインターネットメディアを運営

モバイル検索広告の表示方法が変更になります

2014年9月22日月曜日 | 10:00

Labels: , ,

Posted by Senthil Hariramasamy - AdWords プロダクト マネージャー

最近では、最寄りのハンバーガー店を探す際も、飛行機を予約する際も、指先 1 本で必要な情報が得られます。しかも、こういった情報の検索は、わずか 10 cm 程度の小さな画面の中で行なわれています。このためモバイル広告では、表示される情報 1 つ 1 つがいっそう重要となります。

このたび Google は、必要としている情報にユーザーが簡単にアクセスできるよう、スマートフォンでの広告の表示方法を変更することになりました。

2014 年 10 月 15 日より、掲載結果の予測次第では、モバイル検索広告の広告文 2 行目(広告文 2)に代わって広告表示オプションが表示されるようになります

これは、広告表示オプションを表示することで、より高い掲載結果が見込まれる場合に起こります。広告文 2 行目は、掲載結果予測の良し悪しに従って、表示される場合とされない場合があります。今回の変更は、より関連性が高く有益な情報をユーザーに表示することを目的としています。


モバイル ユーザーに最も重要な情報を提供


目立つ場所に広告表示オプションが表示されることで、ユーザーはより簡単に、お客様のビジネスに関する下記のような追加情報(所在地や商品の特徴、サービス内容など)にアクセスできるようになります。


変更の詳細と例


下記は、架空のフラワーショップの例です。変更前は、「花束 プレゼント」という検索に対し、左側の例のようにお店のウェブサイト URL、2 行分の基本情報が表示されていたとします。

  

これに対し変更後(右側の例)は、2 行目に代わり、サイトリンクが表示されています。

続いて、以前よりサイトリンクが表示されていたケースを見てみましょう。

 before-モバイル.jpg   mobileafter.jpg

この例では、2 行目の広告文に代わり、レビュー表示オプションが表示されています。

このように、広告文の 2 行目の代わりに、より高い成果が見込まれる別の情報を提供できるようになります。これによりスマートフォン ユーザーは、1 つの広告を通じて、お店選びに役立つ様々な情報にアクセスする(通常のリンク先ページを開く、特集ページを閲覧する、ショップの評判を調べる)ことができます。


モバイル広告を最大限に活用するために


この変更に関して追加の操作はありませんが、必要に応じて広告文や設定に変更を加えていただくことをおすすめします。下記は、Google が推奨する設定です。

  • 最も重要な情報を広告見出しや広告文の 1 行目(広告文 1)に盛り込みます。 
  • 関連するすべての広告表示オプションを有効にして、ユーザーが情報を簡単に探せるようにし、クリック率を高めます。
  • モバイル向けの広告を使用して、外出先でもユーザーが簡単にアクションを起こせるようにします。モバイル検索ユーザーにとって広告の関連性が高いほど、良い結果が得られるはずです。

Google では、ユーザーのニーズを満たしお客様のビジネスチャンスの拡大につながるよう、サービスの向上に日々尽力しております。今回の変更により、お客様のモバイル広告の掲載結果がさらに向上すると考えておりますが、10 月 15 日以降この設定を無効にすることも可能です。詳細については、こちらのヘルプセンター記事をご覧ください。