Skip to main content

Series

ゲーム業界のアイデンティティ政治闘争

ゲームとポリティカル・コレクトネスは、かつてなく緊密な関係にある。しかし、コンテンツ製作者たちが自分たちの考える“正しさ”を追い求めるあまり、逆に不寛容や分断を生むケースも見られているのが現状だ。コンテンツがもたらす分断と終わりのない論争に終止符を打つために、いま考えるべきこと。

「音楽」はこれからの時代に“旅のディスティネーション”となるか?

音楽フェスティヴァルの世界的増加やミュージシャンの聖地巡礼を背景に、音楽を起点にした観光「ミュージックツーリズム」が注目されている。コンサルティングファーム「Sound Diplomacy」へのインタヴューや、第一次世界大戦後の旅ができない時代の「仮想旅行」を参照しながら、Placy鈴木綜真がパンデミック後の「音楽」と「場所」の関係性をひも解く。

新たなる人工的自然を前提とした「ファッションの未来」に向かって

『WIRED』日本版の「CREATIVE HACK AWARD」の受賞者でスペキュラティヴ・ファッションデザイナーの川崎和也が、「ファッション」という視座から人新世のその先を見通す新連載『Speculative Fashion For The Post-Anthropocene』がスタート! その序章では、人間中心主義的なファッションシステムの歴史と、その諸問題を解決に導くオルタナティヴなシステムにまつわる思索を繰り広げる。

若き名うてのシェフが集う「Julius」。ローカリズムと持続可能性の追求が生んだ、新しいガストロノミーの可能性

ベルリン・ウェディング地区に店を構える、気鋭のレストラン「Julius」。日本人を含めた若きシェフやソムリエたちが集う同店に、世界中の美食家たちが熱い視線を注いでいる。そんなJuliusのメンバーたちは、いかに「食」と向き合い、ベルリンから新たな食文化を生み出そうとしているのだろうか。

卓越した加工技術と世界観でアウトドアギアの新境地を切り開く「muraco」

ガジェットの背景を掘り起こすことで、時代の流れが見えてくる──。UI/UXデザイナーにして筋金入りのガジェットラヴァーでもあるTHE GUILD共同創業者の安藤剛が、ガジェットのコンテクストを読み解く連載「THE GADGETS DEEP DIVE」。第2回は、0.01mmの誤差も許されない金属加工の世界で培われた加工技術を活かしたプロダクトデザインで注目を集めるmuracoの、「CARAJAS PEG HAMMER」「SATELLITE FIRE BASE」「GRILL TABLET」を紹介する。生粋のアウトドアラヴァーであり、登山を嗜む安藤の眼には、muracoのプロダクトたちがいかなるものに映るのだろうか。

iPhoneの可能性を広げるギア「Moment Mounts for MagSafe」

ガジェットの背景を掘り起こすことで、時代の流れが見えてくる──。UI/UXデザイナーにして筋金入りのガジェットラヴァーでもあるTHE GUILD共同創業者の安藤剛が、ガジェットのコンテクストを読み解く新連載『THE GADGETS DEEP DIVE』がスタート。第1回は、米国シアトルを拠点とするスタートアップmomentが手がける「Moment Mounts for MagSafe」。あまたあるiPhoneのアクセサリープロダクトのなかで、安藤はmomentにいかなる可能性を感じたのだろうか。

巨額のコストと“枯れた技術”

テクノロジーの発展と共に、ゲームの表現は高度に多様になってきた。その結果、膨れ上がったのがゲームの開発コストだ。そのなかでゲーム会社は、新たなビジネスモデルや技術、そして複雑性に逆行するレトロなゲームを生み出し、ゲーマーたちに届けている。だが結局のところ、プレイヤーが求めていることはたったひとつなのだ。

「レーガンの時代の終わり」の始まり

バイデン大統領の政策を見る限り、その狙いは、1981年以来40年間続いた「レーガンの時代」に終止符を打ち、新たな社会編成原理に基づく世界を模索していくことにあるようだ。その一方で共和党内では、翌年に控えた中間選挙をにらみ、トランプの影響力をふまえた動きが早くも活発化している。最終回を迎えた同連載だが、「大統領戦」が収束を見ることはなさそうだ。

「あらゆる手段」でアートを発信する:「SAVVY Contemporary」が西洋中心の芸術社会に一石を投じる背景

ロックダウン下の厳格なルールのもと、運営方法を模索するベルリンのギャラリーのなかで異彩を放っているのが、アートスペースを運営しながら、アートコレクティヴとしてのさまざな発信も続ける「SAVVY Contemporary」だ。「西洋芸術以外に焦点を当てる」という指針から、多岐にわたる活動に対する思惑に迫る。

赤いリムジンバスは「ロンドンらしい」のか? 都市の「オーセンティシティ」にまつわる諸研究とその指標化

観光や都市の領域において重要性が増している「ローカル(地域性)」と「オーセンティシティ(本物感)」。しかし、その本質とは何なのだろう? ジェントリフィケーションにより失われた「何か」の仮託先として、めでたく選抜されたオーセンティシティが具体的なアクションを誘発することはできるのか。オーセンティシティの3分類とその指標化についてPlacy鈴木綜真が考える。

バイデン政権の柱となった〈デモクラシー〉

2021年1月21日に船出を切ったバイデン政権は、まもなく「最初の100日(The First 100 Days)」を迎える。ここまでのところ、バイデンのプレジデンシー(大統領としてのあり方)を理解していくうえでのキーワードは「デモクラシー」だと言えそうだ。その点をふまえ、同政権の輪郭をつかんでいく。

ガチャは規制されるべきなのか?

いまや日本のモバイルゲームビジネスにとって欠かせない仕組みとなった「ガチャ」。毎年多くの利益を生む一方で、海外では厳しい規制を求める声も高まっている。その議論がつながる先は、絶え間なく進化する「稼ぐためのゲーム」をどの程度許容するのか、というさらに深い問題だ。

トランプのリアリティショー・ポリティクスはいまだ終わらない

前代未聞となる「2回目の弾劾裁判」は、おおかたの予想通りトランプの無罪評決となった。しかし、デモクラシーの内部崩壊に限りなく迫った議事堂襲撃事件の記憶は、この先、共和党と民主党にいかなる行動を促すことになるのだろうか。

ノンバイナリーDJ集団「No Shade」、スタートアップハブ「Factory」からの挑戦──連載「A CALL OF COMMUNITY」(2)

新型コロナウイルスの感染拡大から丸1年が経過した。ベルリンでは2020年11月からの「ロックダウン・ライト」を皮切りに、12月以降に厳格化された「ロックダウン」は少なくとも3月中も続く予定だ。見通しが立たない状況のなか、DJを生業とするアーティストたちは連携をとり、この危機に対してもてる限りのクリエイティヴィティで乗り切ろうとしている。ベルリンに息づくストリートカルチャーとコミュニティ文化の現在地を探る連載第2回では、ナイトライフの“不均衡“に挑み続けるDJコレクティヴ「No Shade」を訪ねた。

誰もいないにもかかわらず、戦勝ムードに沸いたバイデンの大統領就任式

就任式において「魂の癒やし(ヒール)」と「統合(ユニティ)」の必要性を訴え、政治的過激主義、白人優越主義、国内テロリズムに断固として立ち向かうことを宣言したジョー・バイデン。「トランプの4年間」でかげってしまった民主主義の輝きを、この第46代大統領はいかなる方法で再興していくのだろうか。

パンデミックの時代を経て、都市の価値は再現性の低い「神秘性」に宿る

いま都市を語るうえで、パンデミックに関する議論は避けて通れない。Placy鈴木綜真による連載の第3章では、世界37カ国43都市に住む都市研究者から寄稿文を集めた「Post-Quarantine Urbanism」を主宰した鈴木が、再現性の低い空間における「神秘性」の観点から2021年以降の都市像を考える。

世界を震撼させた、ファンタジーがリアルを超えた日

1月6日に起きた目を疑うばかりの議事堂襲撃によって、トランプを取り巻く情勢も、ついに潮目が変わった。バイデンが大統領に就任するまでの短い期間に、果たして何が起こるのだろうか? ダメージが小さくない共和党は、このまま極右ポピュリズム政党に転じてしまうのだろうか?

パーティ・イズ・オーバー!:トランプとマコーネルの分かれ道

12月14日に実施された選挙人投票を経て、ジョー・バイデンが次期大統領に選出されてもなお、トランプとその取り巻きたちはパーティを終わらせないつもりらしい。しかし、「政治劇のシナリオ」と「法的手続きの進行プログラム」は別物だ。共和党のミッチ・マコーネル議員(上院多数党院内総務)の言動から、リアルとファンタジーの位相のズレを見極める。

いつまで続く? トランプの抵抗劇という名のリアリティショー

自身が負けていない世界=「トランプ・ネイション」の盟主として君臨し、アメリカが育んできた政治文化を蹂躙し続けているトランプ。しかし、その圧倒的な集票/集金力を無視することはできない。「負け」が確定している世界における、トランプの真の狙いとは何か?

「テクノ音楽」が共通言語:アーティスト集団「Live from earth」の“組織”としての続け方

パンデミックの影響で、クラブの通常営業が休止してから半年以上が経つ。しかし、ベルリンのテクノシーンは決して動きを止めていない。コミュニティ同士で連帯したアーティストたちはロックダウン後すぐにイヴェント配信サイト「United We Stream」を立ち上げ、音楽を愛する同胞たちを鼓舞し続けた──。アンダーグラウンドにあるその実態を探るべく、ベルリン・テクノシーンを牽引するアーティストコレクティヴ「Live From Earth」の取材を試みた。彼ら/彼女らはコロナ禍をどう受け止め、そしてどのようにして“組織”として活動を続けているのだろうか。ベルリンに息づくストリートカルチャーとコミュニティ文化の現在地を探る連載第1回。

バイデンに勝利をもたらした都市生活者たちの〈アクシデンタル・ソリダリティ〉

ブルーウォール(ペンシルヴァニア、ミシガン、ウィスコンシン)を奪還し、レッドステイト(ジョージアとアリゾナ)も獲得したうえで当選を果たしたバイデンだが、よくよく見ると、その勝利は「辛勝」と言わざるをえない内容だった。選挙の行方を決めた「アクシデンタル・ソリダリティ(偶然の連帯)」の背景を解題する。

勝利までの忍耐の4日間、ジョー・バイデンの背後には常に「2人のジョン」がいた

11月7日、アメリカ東部時間11:30a.m.過ぎ。ペンシルヴァニア州から「当確」の報が出たことで、ジョー・バイデンの第46代アメリカ大統領選出が確定した。11月3日の投票日から、4日後のことであった。バイデンの「ビクトリースピーチ」から、彼の行動原理や政治思想を読み解く。

公私の境目がなくなる「ゲーム実況」という新たな働き方

この数年で一大産業へと急成長を遂げた「ゲーム実況」。インフルエンサーの参入やパンデミックによる外出自粛でさらに人気を集めているが、その特有の性質ゆえに実況者の心と体が蝕まれることも少なくない。ゲーム実況をより持続可能な産業にするために求められることとは?

自律走行時代の「地図」は、物語を共有するツールへと回帰していく

都市空間の膨大な情報を整理し、わたしたちを「望みの場所」に導いてくれる「地図」。空間情報の編集装置としての地図を読み解くことで、そこに描かれる社会の重要な要素が浮かび上がってくる。カウンターマップからGoogle マップまで、Placy鈴木綜真による連載の第2章では、さまざまな地図の表現方法を追いながら現代の都市空間を捉え直す。

長蛇の列をつくりながら、それでも投票に駆けつけるアメリカ

郵便投票への不信を募らせるトランプに対抗するかのごとく、各州での早期投票数が、過去に類を見ない比率で伸びている。COVID-19、BLM、RBGの死……。さまざまな不測の事態が起こった今回の大統領戦の「最終局面」を見極める。

ディベートから一転、〈タウンホールの決闘〉へ

予定されていた第2回大統領テレビディベートは、トランプの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への罹患のために中止となった。その代わりに両候補は、重点を置く州でのタウンホール・ミーティングを敢行した。接戦州は8つに絞られ、劣勢が伝えられるトランプ。同陣営は、4年前には有効だった手段(暴挙?)に出るが、メディアも有権者もまた、この4年間の間に「抗体」を身に宿していたのであった。

今やオクトーバー・サプライズですらリアリティショー!

半世紀を超える伝統を根こそぎ破壊するような、最悪かつ醜悪な見世物となってしまった第1回大統領ディベート。「果たしてあと2回、ディベートをおこなう意味があるのか」という声も挙がっているなかで飛び込んできた、トランプの新型コロナウイルス感染の報。投票まで1カ月を切り、大統領選の行方はますます混沌を深めていく。

RBGの死で前倒しされたオクトーバー・サプライズ

「リベラルの牙城」として27年にわたって連邦最高裁判事を務めてきたルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)が9月18日、87歳でこの世を去った。彼女の死が大統領選にもたらすインパクトを考察する。

ガンダルフ・フォー・プレジデント!バイデン・フォー・アメリカ!

光か、闇か。アメリカか、トランプか……。いよいよ「政策」ではなく「人柄」の選択になりつつある今回の大統領選挙。リベラルデモクラシーという「アメリカン・ヴァリュー」に全賭けしているバイデンが、ここに来て自らを「Decency(良識・礼節)」を推し進める存在と定義し始めた狙いはどこにあるのか。

「ロー&オーダー」に全てを賭けてきたトランプ

コロナ禍によってイレギュラー続きだった選挙戦も、いよいよ終盤。8月にはバイデンを押し上げていた風は、いまやトランプに向かって吹いているが、そのトランプ陣営がここに来て「ロー&オーダー(Law & Order:法と秩序)」を強調する背景にあるものとは……?

「ロンドンで視覚的に“いちばんつまらない”場所に行ってみた」研究者が考える、都市の指標と構成要素

道路、建物、匂い、音……都市には無数の構成要素があり、「指標」を用いてそれらの定量化は試みられてきた。指標化を行なえば、複雑な都市の構成要素は削ぎ落ちていくばかりか、そもそも全てを定量化することは叶わない。「ロンドンで視覚的にいちばんつまらない場所」を指標から導いた筆者が、古今東西の都市研究における「指標」を紹介しつつ、可視化の先に待ち受ける大いなる問いを考える。

都市に潜む、無数のパラメーターを見つけよう

都市に隠れたパラメーターの一つひとつを解き明かせば、都市に拡がる景色を変えていけるのではないか──。都市研究家であり、音楽で場所を探す地図サーヴィス「Placy」を開発する鈴木綜真による新連載『Cultivating The CityOS 〜都市に潜む、無数のパラメーターを見つけよう』がスタート! 序章では、そこに複雑なものとして存在する都市を二元論で語るのではなく、「構成要素」として分解していくべきという本連載のスコープが語られた。

トランプ陣営の最後の切り札はまさかの市街戦?

かつてリアリティ・ショーのホストだった現職大統領が、想定外の「リアリティ」に翻弄されている。狂い始めた歯車に抗うためか、あるいは再選を諦め自暴自棄になったのか、手段を選ばなくなってきた感のあるトランプ。やはり、雌雄は決したのだろうか……!?

今、選挙が行われれば、バイデンの大勝利が確実なミラクルな7月

コロナウイルス、BLM(Black Lives Matter)……続けざまに自責点を献上する現職大統領にいよいよ見切りをつけたのか、2016年の「トランプ勝利」に貢献した郊外の住民、インディペンデント、共和党穏健派たちまでもがバイデンの支持に回り始めている。もはや、バイデン勝利は堅いのだろうか?

その手数料は適正か? ゲームストアの功罪

時代とともに移り変わるゲームの流通。かつては店頭でパッケージとして買うものだったゲームソフトも、いまやオンラインストアを介してダウンロードするもの、開発会社から直接購入するものが主流になった。だが、こうした流通の変化が起こす利益分配や体験の変化は、果たしてプレイヤーや開発者にとってどれほど「公正」なものなのだろうか?

ウェブへの全面移行でメディアイリュージョン化した選挙キャンペーン

本来なら率先して鎮圧すべき社会的な混乱や暴動を、むしろ率先して煽っているかのようなトランプ。そうした自責点もあってか、全米での支持率はバイデンがリード中だ。弾劾裁判、パンデミック、恐慌、暴動……。ジャックポット(大当たり)とでもいうべき年を締めくくるであろう大統領戦は、第3コーナーに差しかかった。

ジョージ・フロイド事件がもたらしたアメリカ史の大きな曲がり角

アメリカはいま、内戦一歩手前の状況に陥っている。10万人を超える死者を出した新型コロナ禍がいまだ収まらぬなか、民族差別というこの国の深刻な病巣への不信感が、瞬く間に感染爆発したからだ。混沌の社会に求められるリーダー像が、改めて問われている。