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Science

「地球平面説」を信じる人々に、地球が丸いことを納得させる方法

地球が球体であることは常識だが、米国では少なからぬ数の人々が「地球平面説」を信じている。これらの人々に、地球が平らではなく丸いことを理解してもらうにはどうすればいいのか。物理学に基づく2つの実験を紹介しよう。

培養肉の製造や販売が犯罪に!? 製品化より先に進む禁止の動き

米国の複数の州で現在、培養肉の製造や販売を禁止しようとする動きが進んでいる。牧畜業界などが抵抗を示す“実験室育ちの肉”にまつわる議論は極端なものに振れつつあり、文化戦争の緊張が高まっている。

遺伝子改変されたブタの腎臓、ヒトへの移植に初めて成功。「異種移植」への追い風になるか

遺伝子改変したブタの腎臓を62歳の男性患者に移植することに、米国の医療チームが世界で初めて成功した。この成功は、臓器移植が必要な患者に、容易に入手できる安全な臓器を「異種移植」で提供する時代に向けた第一歩となる。

人間への脳インプラントを実施したニューラリンク、初の被験者が明かした“成果”の中身

脳とコンピューターをつなぐインターフェイス(BCI)を開発しているイーロン・マスクのニューラリンク。その脳インプラントの施術を受けた被験者の男性が、その“成果”を初めてXのオンライン配信で明らかにした。

サッカーで“完璧”なコーナーキックを提案、Google DeepMindが開発したAIモデルの実力

サッカーのリヴァプールFCの試合をAIで分析し、コーナーキックによる得点や守備の確率を高められるよう支援する技術をGoogle DeepMindが開発した。コーチの指導や指示に応用することで、チームの勝利に貢献できる可能性が期待されている。

未来の食料? 池の水草「アゾラ」が注目される理由

水草の「カロライナアゾラ」は、二酸化炭素を取り込みながら恐ろしい勢いで繁茂するシダ植物だ。調理の仕方によっては「歯応えよくジューシー」に食べられるという研究が発表されているほか、肥料やバイオ燃料としての可能性も秘めている。

禁煙後もタバコは免疫システムに影響を与え続ける:研究結果

遺伝子のオン・オフを切り替えることによって、喫煙は免疫に長期的な影響を及ぼす。そして、免疫年齢を何年分も進めてしまっているかもしれない。

植物プランクトンやエアロゾルを宇宙から観測、NASAの新衛星が示す地球の未来

一見ちっぽけな存在である植物プランクトンやエアロゾルが、気候変動に大きな影響を与えている。地球温暖化が危機的な状況を迎えているいま、科学者らは地球観測衛星「PACE」を通じて情報を集めようとしている。

温暖化による海面上昇の影響を深刻化、全米の海沿いの都市では地盤沈下も進んでいる

海沿いに位置する全米の32都市で、温暖化による海面上昇に加えて地盤沈下も進んでいる実態が明らかになった。新たな研究結果によると、これらの相乗効果によって浸水で想定される影響や被害額が膨らむことになるという。

北極圏で進む「緑化」、そのメカニズムとさらなる温暖化への影響:研究結果

海氷が減り、大気の変化で雪が増えた結果、本来なら北極では見られない木々が育ちやすい状況が生まれている。発表された研究結果によると、以前から懸念されている北極圏の温暖化の問題について、その新たなメカニズムが解明されつつある。

光と音でアルツハイマー病の治療に挑む。新たな医療用ヘッドセットが秘めた可能性

光と音を発するヘッドセットを用いてアルツハイマー病を治療する手法の研究を、米国の大学発スタートアップが進めている。臨床試験の結果では有効性を示唆する初期的な兆候が報告されるなど、薬を用いない治療の実現が期待されている。

遺伝子編集でマンモスを“再生”する計画に進展、ゾウのiPS細胞の作製に成功

絶滅したマンモスの“再生”に遺伝子編集で挑む米国のスタートアップが、あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞をゾウの細胞から作製することに成功したと発表した。これにより研究室でゾウの精子や卵子をつくり、遺伝子編集をテストできる道が開かれるという。

硬貨のサイズで50年もつという「原子力電池」は“本物”なのか?

硬貨のサイズで50年にわたって充電不要という「原子力電池」が発表されたが、本当にそれだけの能力を発揮するのか。開発元が主張するように、半永久的にバッテリーがもつ携帯電話は実現するのか。計算に基づいて考察してみた。

大量の雨水を“資源”に変える、都市緑化による「スポンジシティ」の潜在力

米国の都市部では1日あたり約2,000億リットルもの雨水が流出しているが、都市を緑化して水を集める「スポンジシティ」化によって資源として活用できる可能性がある。

食べた糖を食物繊維に変える技術を英スタートアップが開発中

現代人は糖分をとり過ぎている。フードテック企業のZyaは、甘い食べ物に加えるだけで、一部の糖を消化器官内で食物繊維に変えてくれる物質を開発中だと明かした。人々は食習慣を変えることなく健康に近づけるかもしれない。

ポストコロナ時代の心不全リスクに布石、ヒトiPS細胞からつくる「心臓オルガノイド」が秘めた可能性

新型コロナウイルスの影響で心不全のリスクが高まる可能性が指摘されているが、この脅威に対する布石になりうるのがiPS細胞から作製される心臓組織「心臓オルガノイド」だ。この「ミニ臓器」とも呼ばれる組織は、再生医療やテーラーメード医療に革新をもたらす可能性も秘めている。

ニューラリンクの脳インプラント臨床試験について、イーロン・マスクはもっと情報開示を

イーロン・マスクは、ニューラリンクの臨床試験の被験者が、脳だけでコンピュータのマウスを動かせたと公表した。だが、同社の脳インプラント事業に関する情報公開が少ないことについて、一部の研究者はフラストレーションを隠さない。

ウクライナ侵攻から2年、市政府のデジタルプラットフォームが心に傷を負った市民のメンタルヘルスを支援する

2年におよぶロシアの爆撃と砲撃のせいで、何百万ものウクライナ人がメンタルヘルスの問題に悩まされている。復興のために、キーウ市は心の傷をもつ人をサポートするシステムの構築に着手した。

止まらない海面水温の上昇、最高記録更新が続くのは「極めて異常」

研究者たちの予想をはるかに超えるスピードで、世界の海面の温度が上昇し続けている。これはハリケーンの大型化や海の生態系の異変を告げる不吉な前兆なのかもしれない。

3日間で300億リットルの雨を貯水、「スポンジシティ」の可能性

3日間にわたって激しい雨に降られたロサンゼルスでは、保水力のある“スポンジ化”されたインフラによって約300億リットルの雨水を集めた。これは10万世帯に1年間、水を供給できる量だという。

宇宙探査機「ボイジャー1号」に不測の事態、“延命”に向けて解決に挑むエンジニアたち

1977年から飛行を続けている宇宙探査機「ボイジャー1号」に不具合が発生した。どうやら原因は50年近く前に“最新鋭”だったコンピューターにあるようで、エンジニアたちは当時の紙の資料を読み解きながら手探りで解決に挑んでいる。

温暖化はスキー競技にも多大な影響、アルペンスキー・ワールドカップで起きた“番狂わせ”の真相

アルペンスキー・ワールドカップの男子回転競技で、スイスの選手が最下位からの大逆転で優勝を飾る“番狂わせ”が起きた。異常気象で雪がとけた影響があったとされており、地球温暖化が競技スポーツとしてのスノースポーツの先行きを不透明にする可能性も指摘されている。

注射1回の遺伝子治療でタンパク質を復元、生まれつき難聴だった子どもの耳が聞こえるように

聴覚を部分的にでも回復させる治療はこれまで人工内耳以外になかった。いまや、音声信号を耳から脳に伝達するために必要なタンパク質を復元する遺伝子治療が、各国の研究チームで進んでいる。

地下水の急激な減少が最新の研究で明らかに。世界に広がる「帯水層涵養」技術

世界各地の帯水層を調べた最新の学術論文で、地下水の水量が広範囲で急速に減少しているという衝撃的な結果が明らかになった。こうしたなか、枯渇を食い止めるための対策が世界各地で少しずつ進められている。

糖尿病治療を諦めない未来へ。「安価なインスリン」製造を目指すスタートアップ

米国では、約800万人の糖尿病患者がインスリン製剤を必要としているが、価格を理由に投与の回数や量を減らさざるを得なくなっている。そんななか、インスリンを効率よく量産できる新技術を開発したスタートアップが、より安価に提供できるインスリンを製造しようとしている。

高所恐怖症の克服には、「クモ恐怖症」の治療が効果あり?:研究結果

ある特定の何かに対して激しい不安を感じる「限局性恐怖症」。このほど発表された研究によると、クモ恐怖症の治療が高所恐怖症の治療にも役立つ可能性があるという。

「mRNA」を使ってがんを狙い撃ちする治療、初の臨床試験開始へ

米のバイオテクノロジー企業が、mRNAを使った新たな治療の臨床試験の参加者の登録を始める。がん治療は標的以外の組織に影響が及ぶことが大きな問題になるが、同社は特定の細胞に対して選択的に働きかけるようmRNAを“プログラミング”したという。

ニューラリンクが人間への脳インプラントを初めて実施、「脳とコンピューターの接続」における重要なマイルストーンになる

脳とコンピューターをつなぐインターフェイス(BCI)を開発しているイーロン・マスクのニューラリンクが、脳インプラントを人間の患者に初めて施術したことを明らかにした。詳細は明らかにされていないが、BCIの歴史における重要なマイルストーンといえる。

2023年は「史上最も暑い年」だったが、今年もとてつもない猛暑になる:研究者

1月に入ってから、複数の研究機関が2023年の記録破りの暑さの原因を分析する報告書を公開している。温室効果ガスやエルニーニョなど、気候変動の背景にある問題は今も引き続いて存在するため、それらが気温に影響を与えることは避けられないだろう。

「山火事後に皮膚科の受診者が増えた」──研究が示す気候変動と皮膚疾患の相関関係

昨年の夏カナダで発生した山火事の煙が、米東部のアトピー性皮膚炎の増加と関連している可能性を示す論文が12月に発表された。著者である医師は、大気汚染は気候変動により悪化しており、皮膚疾患の急増も気候変動の影響のひとつなのだと語る。

脳死患者につないだブタの肝臓が3日間機能、ゲノム編集が示した新たな治療の可能性

ゲノム編集を施したブタの肝臓を脳死状態の肝不全患者に体外接続し、3日間にわたって機能させることに米国の研究チームが成功した。人体に長期的に適合するかはまだわからないが、「異種移植」が肝臓移植を待つ人々の選択肢のひとつになることが期待されている。

ハイドロゲルで精子を遮断、“安全に後戻りできるパイプカット”は実現するか

バイオテック企業のContralineが、精子の流れを遮断するハイドロゲルを23人の男性の体に注入する実験に成功した。この手法は持続性と可逆性のある男性用避妊術として開発されたものだ。

「世界最高齢犬」のギネス認定、疑惑浮上で停止。“次点”にいた犬の飼い主の胸中

31歳だとされた犬「ボビ」の年齢への疑いが生じてから、ギネスワールドレコーズは「世界最最高齢犬」の記録を一時停止した。その結果、とある長寿犬の存在が宙に浮いている。

おもちゃの技術を月面ロボットに:超小型の変形型月面ロボット「SORA-Q」に詰め込まれた夢と英知

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「SLIM(スリム)」が、2024年1月20日に日本初の月面着陸に挑む。この探査機に搭載されているのが、超小型の変形型月面ロボット「SORA-Q(ソラキュー)」だ。球体から左右に拡張変形して月面を駆け回るこのロボットには、日本のおもちゃづくりの英知と次世代に向けてのメッセージが詰まっている。

新型コロナウイルスの新たな感染拡大が、米国であまり話題になっていない理由

現在、米国ではオミクロン株以来最大規模の新型コロナウイルスの感染拡大が起きている。症状が軽い場合には見過ごされてしまっていることも多いようなのだが、リスクの高い人を含む社会全体の健康を踏まえた感染対策の重要性を専門家は語る。
WEATHERING

先進国で妊産婦死亡率が上昇、健康格差がさらに進む──特集「THE WORLD IN 2024」

なぜ、裕福な国においても妊産婦死亡率の上昇が指摘されていのか? 政府が真剣に対処しなければ、人種や階級差別、貧困などのストレスに晒されるマイノリティ集団の健康状況は悪化の一途をたどるだろう。
Drones as rescue tool

ドローンによる消防救助で、森林火災への対処が劇的に向上する──特集「THE WORLD IN 2024」

気候変動がもたらす山火事の救助チームにドローンが加わる。早期に警報を出し、状況分析をする。生存者の居場所を突き止め、さらには消火活動までこなすのだ。
Heat pumps

ヒートポンプへの切り替えが世界中で加速する──特集「THE WORLD IN 2024」

エアコンや給湯器などに古くから使われているヒートポンプの技術だが、CO2排出と光熱費の両方を削減できることから未来志向の解決策として欧米でも期待が高まっている。
COSMIC NEIGHBORS

地球外文明の証拠を見つける──特集「THE WORLD IN 2024」

たとえ生きているうちに出合うことはなくても、宇宙に隣人がいる証拠はすでにわたしたちの近くにあるのかもしれない。すでに太陽系外から飛来してきた天体も発見されているなか、地球外生命体に関する研究には価値がないと言い切れるだろうか?
CLEAN MOBILITY

情報テクノロジーによってクリーンモビリティへの移行が加速する──特集「THE WORLD IN 2024」

データに基づく地球温暖化対策に企業が動き出している。2024年は、情報プラットフォームやAIによって、誰もがクリーンモビリティにさらにアクセスしやすくなるだろう。あとは、前進するのみだ。
Ocean as Engine

海のデジタルツインが人類の海洋への接し方を変える──特集「THE WORLD IN 2024」

地球を地球たらしめているのは海洋だ。人類は海を大切にしなければならない。物を捨てたり、資源を際限なく搾取したりしても問題にならない場所だと考えるのは、もうやめよう。
INDIVIDUAL-LEVEL STUDIES

科学や医療の研究は、人種や性別ごとからパーソナライズされたn=1へ──特集「THE WORLD IN 2024」

研究者や医師たちが人種や性別などに基づく研究アプローチから脱却し、一人ひとりの違いに向き合うことで、科学や医療分野の可能性を押し拡げるだろう。

乳がん早期発見へ。“着る超音波モニター”開発

乳がんと戦った叔母との日々から着想を得て、MITの研究者であるジャナン・ダッディヴィレンはブラジャー型のウェアラブル・デバイスを開発した。定期検診の間にも超音波で乳がん検診ができるこの装置によって、多くの命を救えるかもしれない。
WHOLE-GENOME SEQUENCING

全ゲノム解析が万人のための医療の基礎となる──特集「THE WORLD IN 2024」

安価で精度の高い全ゲノム解析が各国で普及し、流産リスクの低減から遺伝性疾患の予防まで、多くの人々がさまざまなかたちで恩恵を受けることになるだろう。
REGENERATIVE FARMING

環境再生型農業を加速させるリジェネラティブな世界のレストラン──特集「THE WORLD IN 2024」

土壌の健全性や生態系を守る農業を後押しするリジェネラティブなビジネスモデルが拡大し、地球環境全体にプラスの影響をもたらす生産者に投資する人が増えるだろう。
NONHUMAN RIGHTS

AI翻訳システムが進化し、動物の証言が法廷で認められる──特集「THE WORLD IN 2024」

動物の権利擁護を訴える弁護士らが、AI翻訳を活用し、動物の心の状態や意思を理解する日はそう遠くないかもしれない。ただそれは、わたしたちが聞きたいと思うことを聞いているだけなのだろうか?

「脳インプラント」開発競争が激化──薄型から超音波を使ったデバイスまで

脳とコンピューターをつなぐ「ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)」の分野に投資家の関心が集まっている。小型のものや音波で脳の活動を読み取るデバイスまで、大掛かりな開頭手術を必要としない、さまざまな低侵襲の脳インプラントが開発されている。