機能的化粧下地の技術開発が止まらない!

化粧下地と言えばメイクアップ化粧品の刺激からお肌を守ったり、メイクアップ化粧品の発色をよくしたり、とかく守りの化粧品でした。しかし、近年化粧下地の技術開発が活発になって積極的な機能を持つ化粧下地が増えました。

塗るだけでお肌がきれいに見えてしまう化粧下地やシワが隠せてしまう化粧下地など高い機能を備えた化粧下地の開発が進んでいます。ここでは高い技術に支えられた機能的な化粧下地をご紹介しましょう。

化粧下地の基本的な役割

一昔前のメイクアップ化粧品はお肌には刺激が強すぎるものも多かったのです。

そのため、メイクアップ化粧品の刺激を和らげるために化粧下地を塗りました。参考資料→シルキーカバー

ファンデーションや白粉を塗るために肌を整えるたり、ファンデーションが肌に密着しやすいようにしてメイクアップの効果を長持ちさせる目的で使われていました。また、肌の色を化粧下地で補正してファンデーションの発色をよくするのも化粧下地の役割でした。

そのため化粧下地にパープルやグリーン、イエローなどの色がついていることもありました。UVカット、肌の凹凸補正なども化粧下地の役割でしたが、それらはあくまでファンデーションをサポートするもので、肌をきれいに見せるのはファンデーションの役目と位置付けられていたのです。

また、化粧下地のおかげで肌にしっかり密着したファンデーションを落とすには、しっかりしたクレンジングが必要でした。現代では化粧下地がクレンジングの効率も高めるようになりました。

写真の修正技術を取り入れて肌のクスミを消す化粧下地

明るい色のメイクを楽しみたいと思っていてもお肌自体がクスんでいるとメイクの仕上がりもクスんでしまいます。お肌がクスんで見える大きな要因にお肌の凹凸があります。お肌に凹凸があると、お肌の上に細かい影ができます。

この影がお肌の色のトーンを落としてクスミが出てしまうのです。お肌の凹凸の原因になるのは、毛穴、小じわ、きめの乱れによる凸凹などです。これらの問題はスキンケアによって根気強く治していかなければなりません。

ところがスキンケアの効果は一朝一夕には期待できないものです。そこで、まずは今、メイクの仕上がりを美しく見せたい人のために開発されたのが、写真のレタッチ技術を利用した化粧下地です。

レタッチとは撮影された写真を美しく見せるための加工のことです。色を鮮やかにしたり、汚れや余分な影を取り除いたりして美しい写真に仕上げます。化粧下地にもレタッチの考え方を取り入れる技術が開発されました。化粧下地に色の微粒子を加えることによって光を反射させお肌の表面の陰りを取り去ります。

陰りがなくなったお肌からはクスミが消え明るい透明感のある印象に作り替えることができるのです。当初は白い微粒子が加えられて、お肌の凹凸を消し去る化粧下地が開発されました。現代ではもっと技術開発が進み、様々な色の微粒子がそれぞれの機能を果たすようになっています。

基本的な色微粒子の機能は、白は凹凸をとばし、パープルは黄グスミをとばします。ゴールドはシミやクマをとばします。またブルーの色微粒子でお肌に透明感をあたえ、ピンクの微粒子で血色をよく見せます。これらの微粒子の働きでメイクを明るく見せる下地化粧品が開発されました。

クレンジング不要、お湯だけでメイクをオフできる化粧下地

メイクアップはお肌に大きな負担をかけるといわれています。

そのため、お肌を大切にする人の中には、家に帰ったらすぐにメイクオフ、休日はメイクアップはしないという人も少なくありません。そして、メイクアップの次にお肌に負担をかけるのがクレンジングです。

お肌の専門家にはクレンジングを1分以内に終わらせないとお肌はどんどん老けるという人さえあります。これはクレンジング剤がお肌に負担をかけ、その上にこすったりふき取ったりすることがお肌に大きなダメージを与えるからです。

ところが、最近になって、どんなメイクアップ化粧品もお湯だけでオフできるという技術が開発されました。この化粧下地を使ってメイクアップするとどんなメイクアップもお湯だけで洗い流せるというのです。なんだか嘘くさいと思ってしまいますが、決して嘘ではありません。

もちろん例外は存在します。ウォータープルーフや油性化粧品は落ちないこともあります。そのためアイメイクなどのポイントクレンジングは必要ですが、一般的なファンデーションやその上に重ねたチークカラーやリップカラーならこの化粧下地でオフできてしまいます。

この化粧下地がお湯だけでメイクオフできる仕組みは意外と簡単です。要するに化粧下地でお肌に薄いヴェールを貼ってしまうのです。そのあとのメイクアップ化粧品はすべてこのヴェールの上に塗られるのです。この、化粧下地でできたヴェールは40℃以上のお湯に反応してお肌から剥がれます。

するとヴェールの上に塗られたメイクアップ化粧品もヴェールと一緒に剥がれ落ちるというわけです。言葉にしてみれば単純に思える仕組みですが、この発想自体が凄い上に技術開発は並大抵のものではありません。忙しい現代女性にはとてもありがたい化粧下地です。

お湯の温度が40℃以上なので、ぬるま湯というよりは少し熱くなります。一般的なお風呂の少し熱めの温度ですのでお肌にはあまり大きな負担にはなりません。また、メイクアップ化粧品以外の皮脂汚れは化粧下地が作るヴェールよりも内側で起きるので化粧下地とともに流れることはありません。

一般的な洗顔が必要になります。もっとも普通のクレンジング剤によるメイクオフも洗顔は必要なので、手間が増えるというものではありません。

UVカット力は強力なのにごわつき感や白浮きがない化粧下地

お肌の老化の原因で最も大きな影響を及ぼしているのが紫外線だといわれています。確かに生まれてからずっと太陽の光を浴びながら暮らしているのですから紫外線ケアをしている人としていない人の差は大きいものです。そこで多くの人がUVカット化粧下地を使うようになりました。

ところがUVカット機能を持つ化粧下地には大きな欠点がありました。それが、お肌のごわつきと白浮きです。従来のUVカット剤はお肌の上に密着して紫外線を反射させる仕組みだったからです。使い心地が良くない上に、太陽光が当たるとお肌が不自然に白く見えてしまうのです。

これでは化粧下地がメイクアップを台無しにしてしまいます。そこで開発された技術が紫外線をいったん肌で受け止めてから瞬時に熱などの別のエネルギーに変換して紫外線ダメージを防ぐ方法です。このタイプのUVカット化粧下地なら白浮きがなく使い心地が良い、汗崩れしにくいなどのメリットがあります。

ただし、紫外線をいったん吸収するので敏感肌の方には負担が大きいというデメリットがあります。

しわを伸ばす化粧下地ってホント?

最近話題になっているのがしわを伸ばす化粧下地です。

化粧下地と言っても、お顔全体に塗るのではなく、シワの部分に塗ってシワを伸ばしてしまう、化粧下地のサポート剤のようなものです。従来は光の反射作用によってシワを目立たなくする技術が一般的でしたが、とうとうシワを伸ばしてしまう技術が開発されました。

成分はコラーゲンやヒアルロン酸などの本来肌が持っている保湿成分などですが、そのほかに肌表面にポリマーの膜を作り出してその部分にハリを与える成分が含まれています。この成分をシワの部分に注入することによってシワを伸ばしてしまうのです。

このポリマーの膜の成分はセラミドです。セラミドは本来お肌が持っている成分です。肌表面でお肌を外部刺激から守ったり、肌の中の水分蒸発を防いでいます。もちろん、一日使ったからと言ってシワがなくなるわけではありません。

とりあえず使っている時間だけシワを伸ばすのが目的です。しかし、有効成分が多く含まれているので、シワの改善にも大いに役立ちます。