■読書は一生の宝
では、なぜ読書は重要なのでしょうか?
私たちの人生を考えると、成熟するまでに大切なことは、世の中には様々な価値があり、それを大切にする人がいる、という共感力。視野の広さです。
自分一人の人生だけでは、到底しきれないような様々な視野、価値を読書は伝えてくれます。
そして、成熟をした後は、判断力を完成させていきます。
判断力とは、物事の取捨選択をする力。そして、取捨選択をする際に、自らの信念と目的に沿って、情報を処理する力です。
判断力の元となるのは、判断をすること。たとえば、「リンゴとみかんどっちにするか?」のような命題を多く解くことです。
本の中には、社会の問題や人間の問題に触れたものも多くあり、そのような本には、このような(さすがに、リンゴとみかんではないですが)命題があふれています。
長じてからは、老いを防ぐためにも本は役立ちます。
年を取った時、老い衰えるか、年齢を感じさせないような輝きを感じさせるかは、身体的な面はもちろん影響しますが、それ以上に感性の若々しさに影響されます。
そして、感性の若々しさとは、新しいことを知ること、そして、知りたいという興味関心を持つことで保たれます。
もし、体のどこかが悪く、旅行に行くことができなくとも、本に触れることはできます。
このように、読書は、人生のさまざまな局面において、それぞれの役割があるのです。
最後に、ひとつの「書」は、体系づけられ、完成された世界です。
その、体系づけられた世界に触れることで、私たちは、自分自身の経験を体系化する訓練を積んでいけます。
過去の経験を反省し、次に生かせるのは、その情報が体系化されているからです。
それは、断片的な情報ばかりでは、なかなか感じることができないものです。
物語でも、説明的な文章でも、エッセイでも、様々な情報が組み立てられ、関連しあってひとつの形、すなわち「書」を作っている。
そのことを読書を通じて感じることは、私たち自身が、知性を磨き、認識を深めるうえで大きな価値があります。
ぜひ、読書を通じて自分自身を磨いていってください。