季節性の乾燥やニキビなど短期的に受けたダメージによる肌トラブルとは違い、アンチエイジングでは年齢とともに重ねた長期的なダメージを取り除き、細胞レベルで若々しさを取り戻させます。単に加齢によるお肌のトラブルもありますが、生活習慣によって加齢を早めてしまったために生じているものもあります。知らず知らずのうちに少しずつ溜め込んだお肌への負担を取り除くには専門家の手を借りるのが一番!
アンチエイジングと一言にまとめても、たるみ、シワ、毛穴の開き、シミやそばかすなど、気になるポイントは人それぞれ違います。アンチエイジングについてはエステ業界全体で日々研究が進められていますが、施術ごとに得意分野があります。自分の悩みに合った施術を選んで美肌をゲットしましょう!
顔のたるみにはフェイシャルのこんな施術が有効
肌は表面の方から、表皮・真皮・脂肪層・SMAS筋膜・筋肉という階層に分かれています。年齢を重ねると、真皮の層では弾力のもとであるコラーゲンが作られにくくなり、脂肪層では脂肪のクッションが減少し、SMAS筋膜では表情筋がゆるみ全体を支えられなくなり、結果としてたるみとなってしまいます。たるみを元から改善するにはSMAS筋膜の深さまで届くような施術が必要になってきます。
そこで効果が高いのがラジオ波(電磁波)または高密度焦点式超音波を使った施術です。通常の超音波は表層までしか届きませんが、高密度焦点式超音波は超音波をぎゅっと1点に集中させて照射するので、それより深い層、つまりSMAS筋膜まで届くことができます。ラジオ波や高密度焦点式超音波でSMAS筋膜に熱を加えると、筋膜に存在しているコラーゲン繊維が縮み、これにより顔全体がリフトアップされます。さらに、これらの刺激によって真皮の層でもコラーゲンを新たに生成する動きが高まり、一時的ではなく持続的なリフトアップ効果が期待できます。
ちりめんじわや深いシワにはフェイシャルのこんな施術が有効
ちりめんじわとは、乾燥により小さなシワが多数発生し、それが集まってちりめん生地のように見えるものです。このシワは表層レベルのシワなので、しっかりと保湿することで改善することができます。最初に、表層に古い角質が剥がれないまま残っている状態なのでピーリングで優しく取り除きます。今まで古い角質の下にいた新しいお肌が現れるので、そこにコラーゲンやヒアルロン酸など保湿成分をたっぷり含んだシートマスクやジェルマスクで水分補給します。その後、トリートメントオイルでフタをするように水分を閉じ込めて、ちりめんじわと無縁のお肌に仕上げます。
また、顔全体の浅いシワは乾燥によるものであれば保湿が効果的ですが、老廃物が溜まってしまったことによる全体的なシワであればハンドマッサージも効果的です。体の冷えから慢性的な血行不良となり、それが長期間となると顔の血流やリンパの流れは滞り、むくみやたるみが生じ、だんだんと顔全体にシワが現れてしまいます。老廃物の蓄積によるシワは特に目の下に現れやすいです。豊かな表情を作るために顔には30種類以上の細やかな筋肉が存在します。年齢を重ねるにしたがって、肩こりや腰痛を感じることが増えますが、顔の筋肉も同じなんです。筋肉やリンパの流れを把握している専門家のフェイシャルマッサージで顔の筋肉をほぐし、リラックスしながらシワを改善することができます。
深いシワは真皮レベルで起きているシワなので、真皮まで届くようなケアが必須!たるみのケアで紹介したようなラジオ波や高密度焦点式超音波による施術で、真皮の層やSMAS層を刺激し、コラーゲンの修復や新生を促すような施術が効果的です。
毛穴の開きやたるみにはフェイシャルのこんな施術が有効
10代、20代のときの毛穴の開きは皮脂の過剰分泌によるものでしたが、大人の肌になってからの毛穴の開きはコラーゲンの減少によるたるみから進展したもので、セルフケアのみで引き締めるのは難しいところです。真皮の層にはコラーゲンやエラスチンが存在します。これらはハリや弾力に大事な要素ですが、年齢を重ねたお肌ではこれらが減ってしまい、「毛穴が広がる」というより「毛穴が落ち込んで、さらに重力に引っ張られる」ような形になります。そこで、大人の毛穴ケアにおすすめしたいのがフォトフェイシャルです。フォトフェイシャルとはIPまたはIPL(Intense Pulsed Light)とよばれる光のエステですが、肌に有害な光の波長(紫外線など)は除き、美肌効果のある波長の光を照射します。このフォトフェイシャルは、フェイシャルエステが安いサロンなら、たいてい安価で提供されています。短い波長の光は肌表面の細胞に作用し、長い波長の光は肌深層まで届いて作用するため、肌の各層に良い刺激を与えます。真皮の層では刺激された肌の細胞がコラーゲンやエラスチンを新しく作ろうとする動きが高まって、毛穴の開きやたるみを根本から改善させることができます。
シミやそばかすにはフェイシャルのこんな施術が有効
新陳代謝が低下すると肌のターンオーバーも低下し、古い角質とともにメラニン色素を追い出すことができずに蓄積してしまうことで、シミやそばかすが増えてしまいます。シミやそばかすにもフォトフェイシャルは効果の高いエステです。IPにより真皮の層にいる細胞が刺激されると、肌を新しく作る細胞が活性化され、ターンオーバーが正常に近づきます。この細胞の働きとともに、肌に沈着していたメラニン色素も自然と取り除かれていくので、シミやそばかすも薄くなっていきます。
さらにイオン導入を用いた美容液パックを合わせて行う施術で相乗効果を狙いましょう。表皮の層の中でもさらに細胞の層に分かれており、表面から角質層、次に顆粒層と並んでいます。角質層は陽イオン(+)で酸性、顆粒層は陰イオン(-)でアルカリ性に保たれていて、プラスマイナスの相反する力で電気の膜ができています。これが電気のバリアとなっているので、ただ美容液を塗ってもこのバリアより先に染み込むことができません。そこで、イオン導入のマシンを使用し、角質層と顆粒層を中性に傾けることで、このバリアを一時的に弱めます。その状態からマイナスの電流を流すと、陰イオンを帯びている美容成分(ビタミンC誘導体など)はマイナスとマイナスで反発し、表面から奥の方までググッと押し込まれるように浸透するのです。ビタミンCの抗酸化作用はシミやそばかすに高い効果を示しますが、そのままでは非常に不安定な物質です。ビタミンC誘導体がビタミンCの安定化と肌への吸収を高め、より効率よく美白を目指すことができます。