オーストラリアは、先進国の中では唯一昨年から利上げをしています。今年2月は見送ったものの、3月には豪州連邦準備銀行(RBA)は政策金利を0.25%引き上げ4.00%にしており、「好調な経済状態」が背景にあることが発表されています。
そのため昨年来、オーストラリア・ドル(豪ドル)は強めに推移しており、個人投資家からも高金利通貨として再び注目されています。(今年に入ってから一時の勢いに衰えは見えたものの現在再び堅調)
オーストラリア経済は広大な国土の多様な自然を背景にした観光と、豊富な天然資源に支えられています。
そのオーストラリアに先週行ってきました。「好調な経済」の一端を実際に見てみると、観光客の主役はアジア人では日本人から中国人に移っていることを感じました。以前は日本語が話せなければ仕事にならないと言われたブランドショップも、今や中国人の店員と中国語の表示(中国国内に比べいくら割安かの記述!)となっており、店員さんに聞いてみるとやはり購入者のほとんどは中国人だとのことでした。(「日本人は買わなくなった」とのこと)
さて、オーストラリアは議会制民主主義の連邦国です。過去において英国の植民地であったこと、今でも英国女王を元首としていることから英国とのつながりは深く、道路事情(車は右ハンドル、左側通行)、街の風景なども含め英国の影響を強く感じるところも多いです。
そのため豪ドルは英国ポンドとの関連が強いように思われることもありますが、現在特にそのような相関は見られません。とは言うものの過去の事実として、1966年までは豪ポンドとして英国ポンド圏に属し連動していました。
豪ドル(為替の世界では「オージー」と呼びます)の動きについてはニュージーランドドル(「キウイ」と呼びます)との相関がよく言われます。同じオセアニア通貨であり、隣国同士で経済的結びつきも強いからですね。
ちなみにニュージーランドドルも以前は高金利通貨として知られていましたが、オーストラリアが利上げを重ねるのに対し、2009年4月に2.50%まで利下げした後は現在も据え置いたままです。現在、ニュージーランドドルは金利が低いまま、経済の実力以上に豪ドルの動きに引っ張られて強くなってしまっている状況になっています。
オーストラリアの主な輸出国は日本や中国などのアジア諸国です。前述の観光客の増減もそうですが、経済動向はアジア経済の影響を受けやすいと言えます。今後は中国の動きとの関連はより注目されることになっていくと思われます。
最後に豪ドルの動きでもっとも顕著なのが、金価格との相関です。オーストラリアは金を産出する資源国であるため、金価格が上昇すると豪ドルも上昇する傾向が認められています。
豪ドルは先進国通貨として流動性も高く、かつ高金利で人気があるのは事実ですが、値動きは大きく、しかも急激であることが多いため十分な注意も必要です。FX取引をするときには安全策としてのヘッジ注文はできるだけ入れるようにしてくださいね。
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