万が一のための緊急避妊薬(モーニングアフターピル)について

「モーニングアフターピル」って一体?

動物と違って、私たちは繁殖のためのみならずコミュニケーションや愛情確認行動として性交を行います。

そこで望まない妊娠を避けるために避妊をするわけですが、状況や環境によっては避妊が上手くいかなかったり失敗したりということも良くあります。

また、レイプ被害などによる強制的な性交で避妊ができないという場合も残念ながら存在します。

理由はさておき、性交後に緊急避妊をしなければならない時に、緊急避妊薬いわゆるモーニングアフターピルという方法があります。

モーニングアフターピルには2種類存在し、ひとつはレポノルゲストレル(黄体ホルモン)を主な成分とする「ノルレボ」という緊急避妊薬です。

フランスで開発され、現在世界では60カ国以上で販売されているものの、これまで日本では認可されておらずレイプ犯罪の被害者を除いては手に入りませんでした。

2011年に株式会社そーせいが日本ではじめて承認をとり、販売権を持つあすか製薬から産婦人科向けに販売がスタートしました。

 

中用量ピルの経口避妊薬

 

もう1種類は中用量ピルとして知られている経口避妊薬で、卵胞ホルモンを多量に摂取することでホルモン濃度を妊娠しないレベルに引き上げることで避妊する仕組みです。

避妊の為に毎日の服用が必要な低用量ピルよりもホルモン含有量が多いので、緊急避妊にはこの中用量ピルを用いるのが通常です。

 

モーニングアフターピルの使い方

 

性交時に避妊を失敗したり、レイプなど犯罪の被害にあって望まない性交をした場合は、すぐに産婦人科を探しましょう。

普段からかかりつけの産婦人科を決めておいたり、ホームページや電話などでモーニングアフターピルの取り扱いがあるかどうかを確認しておくと迅速に動くことができます。

産婦人科を受診し、医師にモーニングアフターピル服用の判断を仰ぎましょう。

服用については指示があると思いますが、原則的に性交から72時間以内に1回、さらにその12時間後にもう1回、合計で2回服用します。

 

迅速に対応するピル

 

ホルモン濃度を妊娠しないレベルに引き上げるというのが目的ですので、一般的にピルと呼ばれる経口避妊薬を服用するという方法もありますが、モーニングアフターピルとは含有ホルモン及びその量が異なるため注意が必要です。

特に段階型ピルのように、21錠ある中でホルモンの濃度が変化するものは医師への相談が不可欠であり、勝手な判断は必ず避けてください。

避妊効果から言うと、モーニングアフターピルの方が経口避妊薬よりは高いのですが、それでも決して100%ではありません。

薬を飲んだ効果が感じられない時や、服用の時間がずれてしまったときなど、些細なことでも必ず医師へ相談してくださいね。

 

緊急事態にはモーニングアフターピルを!

 

避妊方法として一般的に周知されているものは多くありますが、普段から服用しておく必要がある低用量ピルや、行為に際して装着するコンドームやペッサリーなど…そのほとんどが行為前もしくは行為中に処置する方法です。

つまりこれらの方法は、、行為の後に避妊失敗が発覚して「しまった!」という時、またレイプなどの犯罪にあってしまい望まない性行為があった時に、意味が無いということになります。

行為後、緊急で避妊したい…そんな時に服用するのがアフターピル、中でもモーニングアフターピルです。

モーニングアフターピルの避妊効果は最大で95%と言われており、エストロゲン及びプロゲステロンという女性ホルモンを多量摂取し、女性の体を着床が不可能な状態にします。

モーニングアフターピルの避妊効果は決して100%ではありませんが、服用した時間によって効果が変わってきます。

性行為から72時間以内の服用が目安として奨励されていますが、受精卵が着床するまでの7日間に消退出欠を起こせばよいので服用する猶予は120時間あると主張する研究者もいます。

何にせよ、服用は早いにこしたことはありません。

 

服用後は避妊効果が高まる

 

服用が24時間以内であれば、より避妊効果が高まります。

性行為があった後、いかに早く産婦人科受診と服用を行うかで効果さらには結果が変わってくるので、女性は避妊方法のひとつとしてモーニングアフターピルをきちんと知っておくべきです。

ただし、モーニングアフターピルは多量の女性ホルモンを体内に取り込むことになるので、ホルモンバランスは大きく乱れます。

体にもかなりの負担がかかるので、このモーニングアフターピルを避妊方法として常用することは避けるべきです。

やむ負えない場合の緊急手段として、モーニングアフターピルのメリット・デメリットをきちんと把握しておいてくださいね。

 

メリットだけじゃない!緊急避妊薬の副作用とは?

 

性行為中にコンドームが外れてしまい、「しまった!」と青くなったことはありませんか?

酔っ払ってホテルへ行ってシちゃったみたいだけど、良く覚えていない…こんなことなら普段から経口避妊薬を飲んでおくんだったと後悔したことはありませんか?

そんな時、性行為後の避妊方法として緊急避妊薬の存在があります。

性行為をした後の避妊方法なので、中絶なの?と混乱される方もおられるかもしれませんが、受精卵が着床するのを薬で防ぐ避妊方法ですので、妊娠後に行う中絶とは全く違います。

世界中で緊急避妊薬は販売・普及しており、日本では産婦人科を受診し医師の判断を仰いだうえで服用することができます。

 

副作用がある事をお忘れなく

 

これだけ読むと、魔法のような薬!ウッカリ避妊を忘れちゃっても、これがあれば安心!なんて思うかもしれませんが、この緊急避妊薬には副作用がつきものなんです。

緊急避妊薬いわゆるモーニングアフターピルは、卵胞ホルモンを多量に摂取することで体のホルモン濃度を変えるため、吐き気や腹痛が伴うことが多いんです。

また緊急避妊薬の効果も決して100%ではありませんよ、性行為から服用するまでの時間の長さによって効果が変わってくるからです。

緊急避妊薬による避妊が失敗しても、妊娠した場合に胎児への悪影響は無いので、その点は心配いりません。

しかし、その名の通り「緊急」の避妊薬ですので、日常的に用いるには体への負担が大きくオススメできません。

普段からパートナーと「避妊」「妊娠」「出産」などについてきちんと話し合える環境を作り、お互いが納得のいく避妊方法をすりモーニングアフターピルと合わせておくことがベターでしょう。