[東京 19日 ロイター] -
<16:40> ドル117円前半、1カ月物ドル調達コストは2.2%台に小幅上昇
ドルは117.30円付近で、一時116.97円まで下落した。
早朝の高値は118円ちょうど。クリスマス休暇を目前に控え、短期筋の間ではポジション調整の売りが広がっている。
ドル/円スワップ取引では、1カ月物のドル調達コスト(円投/ドル転コスト)が222.77ベーシスポイント(bp)と前週末の210.35bpから小幅に上昇している。
3カ月物の円投/ドル転コストは165.54bpと前週末の164.55bpから若干上昇したが、1週間前の173.89bpからは低下した。
例年、12月後半には、市場参加者による年末越えのドル資金手当てがほぼ完了するため、ドル調達コストの上昇圧力は徐々に低下する傾向がある。
<14:20> ドル117円前半、中国は米無人潜水機返還に同意
ドルは117.32円付近で、一時117.17円まで下落した。
新規の材料は見当たらないが、「クリスマス休暇も迫ってきたため、短期筋の間では、中国の米ドローン拿捕(だほ)の話などを口実に、ポジションを圧縮する動きが見られる」(FX会社)という。
さらに、「一度、116円前半、もしくは115.60円のサポート付近まで下落して下値を確認した方が、年内120円にチャレンジする機運が盛り上がりやすくなりそうだ」(同)との見方も聞かれる。
米中両政府は17日、中国海軍艇が南シナ海の公海で拿捕した米国の無人潜水機について、中国が返還に同意したと発表した。
米国防総省によると、無人潜水機はフィリピンのスービック湾から北西約50海里の海域で合法的に水温や透明度などの海洋データを収集していた。15日に拿捕されたことを受けて米国は中国に対して正式に抗議していた。
中国国防省は、海軍艇が「正体不明の機器」を発見したため、安全のために調査を行ったと説明。
「適切な方法で米側に返還することを決めた。米中は当初から連絡を取り合っていた」としたうえで、「米側が公の場で一方的にこの問題を誇張したことは不適切で、問題の早期解決にマイナスだった」として遺憾の意を表明した。
トランプ米次期大統領は17日早くにツイッターへの投稿で「中国は米海軍の調査用無人潜水機を公海で盗んだ」と非難していた。
<13:20> ドル117円前半、金融庁は国内銀の金利リスクを緊急調査
ドルは117.24円まで下落した。午前中から上値の重さが意識されている。ただ、116円台では短期筋の押し目買いニーズもあるという。
複数の関係筋がロイターの取材に対して16日までに明らかにしたことろによれば、金融庁は、一部の地銀で外債の評価損益が急激に悪化している事態を問題視。主要行や地銀を対象に、金利上昇時の対応状況や市場見通し、今後の対応方針などについて12月から緊急の聴き取りを始めた。
地銀については、外債のポジションや評価損益の減少幅が大きい銀行から調査に着手したが「貸出ビジネスの苦戦で、証券運用で収益を上げている地銀が意外と多い」(金融庁幹部)ため、最終的にはほぼすべての地銀を対象に調査を実施する方針だ。 米大統領選でトランプ氏が当選した後、10年米国債利回り は1.8%前後から急ピッチで上昇。14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決めた後は、2.64%付近まで上昇した。日本国債の利回りにも上昇圧力がかかり、マイナス圏で推移していた10年最長期国債利回り(長期金利) はプラス圏に浮上した。
財務省によれば、本邦勢は11月27日からの1週間で8915億円の外国中長期債を売り越した。直近の12月4日からの1週間では同2674億円買い越している。
月次データでは11月の外国中長期債投資はネットで839億円の買い越しで、10月の1兆3459億円の買い越しから買い越し額が大幅に減少した。
<12:03> 正午のドルは117円半ばにじり安、株安で利益確定売りが先行
正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、ドル安/円高の117.57/59円だった。株安をにらんで利益確定売りが先行し、朝方の117円後半からじりじり水準を切り下げた。ただ、117円半ばでは押し目買いに支えられ、底堅さも意識された。
午前のドル/円は、株安をにらんで一時117.40円に下落するじり安の展開となった。「海外市場のリスク回避ムードを引きずった」(国内金融機関)とされる。
前週末には、南シナ海の国際水域で、中国海軍艇が米国の無人潜水機を拿捕(だほ)したと伝わり、リスク回避ムードが強まって、ドル/円が急落する場面があった。
とはいえ、米ダウ の終値はほぼ横ばいで、強地合い自体が崩れたとまではいえないとの見方も根強い。「利益確定売りをしながら、ドル買いの口実待ち」(別の国内金融機関)との声が聞かれた。
下落したところでは、引き続き押し目買いも観測され、正午にかけて117円半ばでのもみ合いが続いた。ただ「押し目買いの勢いがやや弱まってきている印象。休暇前の調整が本格化していくのかどうか、見極めが難しい」(邦銀)との指摘もあった。
休暇シーズンを控えて、徐々に参加者も減少してきているもよう。取引も膨らみにくいとして「多少なりまとまった注文が出ると値が動きやすい」(同)との声も聞かれた。
<10:25> ドルは株安で117円半ばにじり安、米中関係続報への警戒も
ドル/円は、株価が下げ幅を広げる中じりじりと水準を切り下げ、一時117.42円に下落した。足元では117.54円付近に持ち直している。
前週末には、南シナ海の国際水域で、中国海軍艇が米国の海洋調査用ドローン1基を拿捕(だほ)したと伝わりリスク回避ムードが強まり、ドル/円が急落する場面があった。その後、中国が返還に同意したとも報じられており「米中間の緊張はひとまず落ち着いたようだ」(国内金融機関)とみられている。
来年以降の米中関係の波乱を暗示するような出来事と警戒されており「今回の案件でも、海外時間にかけて事態悪化を伝えるような続報があればドル/円は売られやすい」(同)という。
きょうはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長がボルチモア大で雇用市場の現状について講演する。市場では「米連邦公開市場委員会(FOMC)後に会見したばかりのため、さしあたって相場を動かす感じではない」(別の国内金融機関)との声が出ていた。
<9:15> ドル117円後半で上値重い、株価が安く始まる
ドル/円は117.71円付近で上値重い。日経平均株価が約50円安で始まっており、ドル/円は一時117.65円に下押しした。
株価が下げを広げればドル/円の下押しも強まると見られるが、前週末には117.46─117.50円付近では押し目買いが支えになって複数回、下げ止まっており「目先のサポートとして意識される」(国内金融機関)という。この水準を割り込めば、117円前半程度への下押しはありそうだとの見方が出ていた。
一方、財務省が11月貿易統計速報を発表したが、相場の反応は限られた。貿易収支(原数値)は1525億円の黒字となった。3カ月連続の黒字。輸出は前年比0.4%減の5兆9565億円で14カ月連続の減少。輸入は同8.8%減の5兆8040億円で23カ月連続の減少。
<8:24> IMM通貨先物で投機筋の円売り越しが拡大
ドル/円は117.90円付近でもみ合っている。朝方からじりじりと水準を切り下げ、一時117.73円に下落したが、その後に持ち直している。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(12月13日までの1週間)によると、投機筋の円の売り越しは6万3429枚と昨年12月上旬以来の高水準に増加した。
市場では、2013─15年の円安局面では、円売り越しが10万枚超となることも珍しくなかったとして「まだ積み上がる余地がある」(国内金融機関)との見方があった。ただ、積み上がり方が急だとして「何らかのきっかけがあれば、巻き戻しが出るおそれがある」(別の国内金融機関)と警戒する声も聞かれた。
主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対するドルのポジションは、買い越し額が前週とほぼ変わらずで、米大統領選でトランプ氏が勝利して以降続いているトレンドを維持した。ドルの買い越し額(CFTCの発表に基づきロイターが算出)は280億1000万ドル。前週の281億4000万ドルからやや減少した。
ユーロの売り越しは8万7513枚に減少(前の週は11万4556枚)した。
<7:58> ドル117.30─118.60円の見通し、株価にらみが継続
ドル/円は117.89円付近、ユーロ/ドルは1.0447ドル付近、ユーロ/円は123.19円付近。
きょうの予想レンジはドル/円が117.30─118.60円、ユーロ/ドルが1.0370─1.0490ドル、ユーロ/円が122.50─123.80円とみられている。
ドル/円は株価にらみが続く見通し。株価がプラス推移となればドル/円が支援されるとして「国内勢のドル買いが強まるなら118円に乗せそうだ」(国内金融機関)との声が出ていた。
株価が弱ければ下押しが見込まれるが「117円半ばでは押し目買いが支えになりそうだ」(別の国内金融機関)という。休暇シーズンを意識し、上昇するにしても勢いは鈍りそうだとの見方も出ている。
経済指標としては、日本の貿易統計、独IFO業況指数などの発表が予定されている。
前週末のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し小幅下落した。週末を控えていた上、南シナ海で米国が運用していた無人水中探査機が中国の軍艦に奪われたと報じられ、利食い売りが優勢となった。
全スポットレート(ロイターデータ)
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