ベルリンでの世界会議、「心の脱軍事化」を求める
【ベルリンIDN=ラメシュ・ジャウラ】
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」。ユネスコ憲章前文はこのように謳いあげている。これはまた、「脱軍事!平和の気運醸成へ向けて:行動アジェンダを生み出す」と題された世界大会での中心的なメッセージでもあった。大会は、ベルリンで9月30日から10月3日にかけて開かれた。
「世界は過剰に武装しており、平和には過少な投資しかなされていない」という潘基文国連事務総長の言葉は、ベルリン工科大学のホールにも鳴り響いていた。
|熊本地震|国際的な災害支援ネットワークの構築が急務(北里敏明元内閣府防災担当審議官)
【熊本IDN=北里敏明】
2016年4月14日と4月16日私が住んでいる熊本県を中心に相次いで2回の大きな揺れが襲った。
4月14日は午後21時26分自宅にいると大変な揺れで棚が倒れたりして身の危険を感じた。モーメントマグニチュード(Mw)6.2であった。内陸型地震で,震源は深さ11kmほどの浅いところであった。
国連安保理、核実験は禁止しても、核兵器は禁止せず
【ニューヨークIDN=ラメシュ・ジャウラ】
包括的核実験禁止条約(CTBT)の署名開放20周年を翌日に控えて、国連安保理は、20年前に確立されている核実験の事実上の世界的禁止を強化する決議を採択した。
拒否権を持つ米国・ロシア・中国・英国・フランスの5大国(P5)と、ローテーションで選出され2年の任期を持つ非常任理事国10カ国からなる国連安保理は、9月23日の集中審議の後、賛成14・反対0・棄権1で決議を採択した。エジプトは、決議の文言が核軍縮の必要性を強調していないとして、棄権した。
核軍縮キャンペーン、ノルウェーのベルゲンに焦点を当てる
【ベルゲンIDN=ロワナ・ヴィール】
北大西洋条約機構(NATO)の創設メンバーであるノルウェーは、「核の傘」依存国としてこの軍事同盟の保護を受けながら、一方で、平和問題への関わりが深い国とみられている。それは、2013年3月にオスロで「核兵器の人道的影響に関する国際会議」を主催したためだけではない。
「ノルウェーは(また)、2008年にクラスター爆弾禁止条約の署名につながったオスロ・プロセスも主導しました。」と語るのは、創価学会インタナショナル(SGI)の寺崎広嗣平和運動総局長である。
|エクアドル|持続可能な開発目標達成のカギを握る民衆
【キトIDN=ネルシー・リザラーゾ】
15年前にエクアドルのサンパブロを訪れたことがある。それはまさしく、マナビ州都ポルトビエホの中で最も貧しい地区であった。
当時、安全な飲料水へのアクセスはなかった。人々は、中等教育はおろか、すべての人々にとっての基本的な無償教育の可能性など、想像すらつかなかった。夕方5時以降に出歩くことなどできず、診療所には十分な医療スタッフも薬もなかった。
北朝鮮の核実験、冷戦時代的な反応の放棄を求める
【バンコクIDN=カリンガ・セネビラトネ】
ラオスの首都ビエンチャンで開かれた「東アジアサミット」で採択された不拡散に関する特別声明のインクも乾かぬうちに、北朝鮮が核実験の成功を発表した。こうして北朝鮮の核問題は、軍事化が一層強まっている域内の現実に対して関係諸国の関心を引き寄せる結果となった。
今回の核実験は、東アジアサミットに出席した首脳らが北朝鮮に対して核・ミサイルの放棄を求める声明を採択してから1日も経たないうちに行われた。米国、中国、ロシア、日本を構成国に含むこの地域機関(加盟18カ国)が、議長声明以外で特定の問題に焦点を絞った声明を出したのは初めてのことであった。
国連、レソトの貧困撲滅支援強化へ
【マセルIDN=マジャラ・モルーペ】
国連は「天空の王国(Kingdom in the Sky)」と呼ばれるレソトで、2015年9月25日に国連加盟国が採択した17項目の目標から成る「2030アジェンダ」を達成するために、今後15年で持続可能な開発目標(SDGs)、とりわけその第1目標(あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ)の実現に向けた支援を進めている。
国連ボランティア(コミュニケーション担当)のシルビア・ティーセツォ・カベレ氏はIDNの取材に対して、「国連がSDGsに関して今年特に重視していることは、たとえば、アジェンダ2030の実行に向けた各国及び国連システムのキャパシティ強化です。」と語った。
相馬雪香さんとFAWA(アジア太平洋女性連盟)
【東京IDN=石田尊昭】
アジア太平洋女性連盟(Federation of Asia-Pacific Women's Associations)―略して「FAWA」と言います。
尾崎行雄の三女・相馬雪香さんは、1950年、スイスで開催された国際会議に出席。そこで、フィリピンの上院議員ペクソン女史と出会います。かつて日本がフィリピンを占領していた頃、まだ若い娘さんだった女史は、日本を憎み、戦後も日本人を大変嫌っていたそうです。しかし、その国際会議で出会った相馬さんの言動に触れ、「日本の女性は変わった! 日本は変わる!」と感動されたそうです。
持続可能な開発達成を見すえるコスタリカ
【サンホセIDN=ホセ・ラファエル・ケサダ】
人口およそ500万人の中米の小国であるコスタリカは高い人間開発指数を誇り(世界で69位)、ラテンアメリカで民主主義の道を着実に歩んできたとみなされている。
コスタリカは、教育への積極的な投資(識字率96%)、比較的整った福祉制度、高いレベルの開放性、国際市場における競争力により、経済協力開発機構(OECD)の加盟候補国になっている。
「2030アジェンダ」達成へ向け若者に目を向ける国連
【ニューヨークIDN=J・ナストラニス】
国連事務総長としての2期目の任期を2016年12月31日に終える潘基文氏が、世界の若者の関心と意欲に焦点を当てる取り組みを強化している。過去のパターンを打破し、世界をより持続的な将来に向けた軌道に乗せるための取り組みを世界的にリードするよう、若者らに促している。
潘氏は、「深刻な貧困が広がる一方でこれ見よがしにひけらかされている富、飢餓が拡大する一方で横行している食材廃棄、豊かな天然資源と地球環境を蝕む企業活動…若者らは世界に蔓延するこうした悲劇的な矛盾に直接的に影響を受けています。」と、「国際青少年デー」に寄せたメッセージで述べた。