「ハチミツ猫とお星様」　らくちゅう　うごく絵本のチャンネル【BANBINI】

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• published: 28 Jan 2015
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ひとりぼっちのハチミツ猫は宝物のお星様を持って森へ出かけます。 ハチミツ猫のやさしい気持ちが出会ったひとたちみんなを笑顔に！ 著者　らくちゅう 音声　大須賀尚子 制作　株式会社ZUBON 対象　8~11歳 ジャンル　楽しい ●作者プロフィール らくちゅう デザイナー・イラストレーター・絵本作家 ハチミツ猫とお星様 ひとりぼっちハチミツ猫は 宝物を持っていました。 それは、とてもキラキラした 月夜に拾ったきれいなお星様です。 ハチミツ猫は、お星様を宝箱に大切にしまって いつも見ていました。 ある日ハチミツ猫は 誰かとお話をしたくなりました。 「そうだ！お星様を見てると幸せになるから 森のみんなにも見せてあげよう！」 ハチミツ猫はお星様を大事に抱えて 森へ出かけました。 森の中を歩いていると、 リンゴ農家のフクロウおばあちゃんに 会いました。 ハチミツ猫がお星様を見せると おばあちゃんはとても喜んで 目を細めて言いました。 「キレイなものを見せてくれてありがとうね。」 ハチミツ猫も嬉しくなって ニコニコ顔です。 しばらく行くと湖で釣りをしている ワニおじさんがいました。 ちょっと怖かったけど、 勇気を出して言いました。 「あのね、 これとってもキレイなの。」 「見ていると気持ちが 温かくなるから、 みんなに見せに来たの」 ワニおじさんは、 お星様をじいっと 見ていましたが、 ニッコリ笑って 言いました。 「ありがとう。 こんなにキレイなものを 見たのは初めてだよ。」 「これからも大事にしてね。」 ハチミツ猫はみんなに 喜ばれて幸せでした。 ところが、あまりにも嬉しくて はしゃぎながら歩いていたので、 お星様が手から 転げ落ちてしまいました。 「あっ！」 ・・・コロコロコロッ！！ 「待って！」ハチミツ猫は 慌てて追いかけました。 でも下り坂になっていたので、 お星様はどんどん転がっていきます。 ・・・ついにお星様を 見失ってしまいました。 ハチミツ猫は、 急いでそこら中を探しました。 一生懸命探しました。 転んで泥んこになっても、 お日様が沈み始めても探し続けました。 ・・・でも、見つかりません。 とうとう辺りが真っ暗になって 何も見えなくなりました。 ハチミツ猫は、膝を抱えて うずくまってしまいました。 寂しくって　悲しくって　怖くって、 涙がポロポロ出てきました。 「大事な大事なお星様・・ 森になんか持ってこなければ良かった。 でも・・・ フクロウおばあちゃんの喜んだ顔や ワニおじさんの嬉しそうな顔が、 ハチミツ猫の心に浮かんできます。 それでも元気を出せないままでいると 遠くから誰かの声がしました。 「誰だろう？」 耳を澄ましてみると 誰かの泣き声のようです。 ハチミツ猫は声のするほうに 行ってみました。 湖のほとりに ネコみたいな影が見えました。 大きな声で泣いています。 影に近寄って見ても やっぱり真っ黒でよくわかりません。 すると突然影が喋り出しました。 「君は誰？」 ハチミツ猫はびっくりしたけど 「ボクはハチミツ猫だよ。 どうして泣いているの？」 と聞いてみました。 「ボクは森に住む宝石ネコ。あのね、 湖に泳ぎに来たんだ・・・」 「そしたら・・そしたら・・・ 体の色が水に溶けて 真っ黒になっちゃったんだ！」 宝石ネコはさらに ワンワン泣き出しました。 ハチミツ猫は可哀想になって 真っ黒な宝石ネコのほっぺを 撫でてあげました。 しばらく撫でていると、 やがて宝石ネコは泣き止んで 言いました。 「ありがとう。 君はどうしてここにいるの？」 「うん、ボクはね、 大切なキラキラするお星様を 失くしちゃったの。」 「探してたら真っ暗になって お家に帰れなくなっちゃったの。」 宝石ネコは 「そっか・・じゃあ、 ボクも一緒に君のお家を探そう」 と言ってくれました。 二人は手を繋ぎました。 手を繋ぐととても温かくて 二人ともだんだん安心してきました。 真っ暗道も二人なら怖くありません。 やがて朝日が昇り始め・・・ 「あっ！」