クレジットカードの使いすぎを助けてくれる定期預金の口座貸越とは
クレジットカード使用時のしまった!のために
クレジットカードをつい使いすぎてしまった、期日を勘違いしていて引き落としされる期日が重なってしまったなど、クレジットカードを使っていると『ついうっかり』というケースがあるかと思います。支払いのために生活費を切り詰め、それでも足りないどうしよう……そんな時に心強い味方になってくれるのが定期預金です。
クレジットカードを持っていて定期預金を組む時は、次の二つの点に気をつけておきましょう。まずは、定期預金を総合口座にすること。もう一つは、クレジットカードの引き落としをする普通預金と、定期預金を同じ総合口座にすることです。そして、口座を開設する際に『口座貸越契約』を交わしておきましょう。
『口座貸越契約』とは、普通預金の残高以上の金額が必要となった時、定期預金から自動的に融資を受けることができる契約です。例えば公共料金やクレジットカードの引き落としなどで預金残高がゼロになり、引き落としの金額がそれ以上だった場合には自動でお金が貸し付けられて預金残高がマイナスになります。返済は普通預金にお金を入れていくだけ。残高がマイナスからゼロまたはプラスに戻ったら返済完了です。
一度マイナスにしてしまったらそこから抜け出すのはなかなか大変だと言われていますが、いざという時には非常に心強い制度ですので、クレジットカードの所有を考えている方は是非とも定期預金を始める時にひと工夫しておきましょう。
どれくらい借りられるのか
一般的に、定期預金の額の8割から9割程度まで借りることができます。また、金融機関によっては限度額が定められている場合もあるため、念のため金融機関に確認しておきましょう。
手をつけない定期預金も作っておくと安全
クレジットカードの万一に備えて、カードの引き落とし口座に定期預金をしておくと便利ではありますが、その万一が頻繁に起こってしまうといつまでたっても残高がマイナスのままというあまり望ましくない状況になってしまいます。そうなってしまわないよう、別の口座や証書を利用して、手をつけない定期預金も別に組んでおくとより安全ではないでしょうか。
定期預金からの自動貸し付けがあるからといって安心し、カードの使用に歯止めがかからなくなってしまっては大変ですし、貸し付けの金額も無限ではありませんので、クレジットカードの利用はくれぐれも計画的に行いたいものですね。
外貨定期預金する時に必ず押さえておくべき外貨デメリットとは
外貨預金のしくみとメリット
近年、資金運用や高い金利を目当てに外貨預金をする人も増えています。外貨預金は文字通り、日本のお金、つまり円をドルやユーロなど海外の通貨に変えて預金をすることで、様々な国の通貨建ての預金があります。一般的な預金と同じく普通預金と定期預金の二種類があり、金利はあらかじめ決まっています。
外貨預金をする人が多いのは、何よりその金利の高さが魅力的という面があるでしょう。また、為替相場の影響を受けますので、場合によっては為替差益を受けることができるというのもメリットの一つと言えます。
外貨預金は実はキケン!?知っておくべき外貨デメリット
金利が大きく、為替相場の変動により利益を受け取ることのできる外貨預金は、資産を作るのに大きなメリットがあるように思えますが、外貨ゆえのデメリットがあることも知った上で行うべきです。
まず大きなデメリットとして、金融機関が破綻した際に国内の預金保護が適用されないという点です。海外の経済事情や政治事情はその国によって様々で、リーマンショックなど大きな経済問題も起こりましたが、万一の場合でも外貨預金は日本でのペイオフの対象外です。外貨預金を始める前に、その外貨が安全であるかどうか、また金融機関の見極めが非常に大切になってきます。
次に大きなデメリットとして、元本割れを起こす可能性があるということ。外貨預金でも元本の保証はありますが、それはあくまでも『外貨建ての元本』なのです。前述したように外貨預金は為替相場の影響をもろに受けるため、為替相場の変動状況によっては日本円に換算した場合、元本割れしてしまったというケースもあるのです。
そして、思わぬデメリットが手数料です。外貨を日本円に換金する時には手数料がかかりますが、金額が大きくなればなるほどもちろん手数料も高くなります。
外貨で定期預金をする時に気をつけたいこと
日本でおなじみの定期預金ですが、外貨預金にも定期預金があります。外貨定期預金は普通預金の二倍近くの高い金利で非常に魅力的ではありますが、始める前に知っておかなければ後悔してしまうかもしれない一面もあります。
まず、外貨定期預金は中途解約ができないケースや、解約した場合に手数料が発生するケースもあります。また多くの場合、円を外貨に換える日はあらかじめ決まっており、その日のレートによっては損をしてしまうこともあります。
外貨預金をするにはまずそのしくみをよく知ること!
そんな危険を冒してまで外貨預金をする人がいるのは何故なのか、それは彼らは外貨預金のしくみを深く理解した上で、リスクを最小限に抑える努力をしているからです。外貨預金をする人は、大きな見返りの代わりに大きなリスクを背負っていることになりますが、一つの外貨に集中させるのではなくいくつかに分散させたり、それぞれの預ける時期を分散させるなどしてリスクを抑えています。
外貨預金は、そのしくみをよく知らない人が高い金利に釣られて始めてしまったケースなどでは失敗も大きいです。まずは外貨預金がどのようなものかを知り、そのメリットとデメリットについて総合的に考える必要があると言えるでしょう。
定期預金するなら気をつけたい、ペイオフ制度の思いがけない穴!
ペイオフ制度とは何か
私たちが金融機関で定期預金などの預金を組む場合、その経営に関しては無意識のうちに『信頼できる』と判断し、さほど深くは考えていないことが多いのではないかと思います。しかし景気が不安定な昨今、金融機関が破綻する可能性はゼロではなくなり、また実際に破綻したケースも見受けられます。
金融機関が破綻した時、そこに預けられていた預金はどうなってしまうのでしょうか。まさか全て水の泡になってしまうのでは……。
そんな心配を解消するために定められている制度が『預金保険制度』です。金融機関の万一の破綻の際に、預金を保護するために作られた制度で、ペイオフとも呼ばれます。ニュースなどで聞いたことのある単語ではないでしょうか。
ペイオフ制度の隠された落とし穴
ペイオフ制度では、当座預金など利息のつかない預金『決算用預金』は全額保護されますが、一般的な家庭などでこれをやっている人はそういないかと思われます。一般家庭でなじみが深いといえば、やはり普通預金と定期預金でしょうが、これらのように利息のつく預金に関しては、ペイオフ制度に保護対象の枠が設けられており、これを知らないと万が一の破綻の際にとんでもなく損をすることになりかねません。
利息のつく預金がペイオフで保護されるのは、預金者一人あたり『元本1000万までとその利息』と定められています。ということは、同じ金融機関の普通預金に600万、定期預金に600万の預金があった場合、200万円は損をしてしまうということになります。しかも保護される優先順位は普通預金が先。このケースで保護されるのは、普通預金の600万と定期預金の400万となり、せっかく高い金利だからと預けていた定期預金200万分の元本と利息に関しては、カットされてしまう可能性があるのです。
これがもっと大きな額、例えば数千万単位の金額をひとつの金融機関に預けていると、そこが破綻した場合1000万を超える分の財産を一気に失ってしまうことになってしまいます。
ひとつの金融機関に預ける額は1000万を超えないようにし、預金は分散させておくほうが万が一のためには良いと言えます。
海外に本店のある金融機関は要注意!
もうひとつの注意点として、ペイオフ制度が適用されるのは日本に本店のある金融機関のみだということです。例えば海外の金融機関の在日支店を利用して、海外の金融機関に預金していたとします。そこが破綻してしまった場合、本店は海外ですから日本のペイオフ制度では一切救済されません。
近年、海外の銀行を利用して資産運用される方も増えてきていますが、この点だけは気をつけておく必要があります。
会社勤めしつつ貯蓄するなら、財形貯蓄と定期預金のどっちがいいの?
そもそも財形貯蓄って何?
会社勤めをしていると、一度くらいは聞いたことのある『財形貯蓄』の制度。具体的にどんな制度なのかよくわからないという方も多いでしょうが、ひらたく言うと、会社が給料から天引きしてあなたの代わりに金融機関に貯蓄をするというしくみです。
財形貯蓄には『一般財形貯蓄』『財形住宅貯蓄』『財形年金貯蓄』の三種類があり、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、一定額まで利子が非課税となります。財形貯蓄は1971年に創設された『勤労者財産形成促進法』という法律に基づいて制定された財形制度のひとつで、働く人の財産作りのために、国や会社が協力する目的で定められたものです。
財形貯蓄をするためには、その会社に雇用される勤労者であることが条件ですが、いわゆる会社員だけでなく公務員も含まれ、また長期間の雇用が見込まれる場合、条件次第では派遣社員やパート、アルバイトの人でも財形貯蓄をすることができます。
財形貯蓄の三つの形
財形貯蓄には『一般財形貯蓄』『財形年金貯蓄』『財形住宅貯蓄』の三種類があり、それぞれ目的が異なります。
まず一般財形貯蓄は、具体的な目的を問わない財産作りのための制度。積み立て金額の上限もなく、使用目的の制限もないため不測の事態に備えることができます。ただし一般財形貯蓄には、税金の優遇制度はないため、利息はあらかじめ税金を引かれた分を受け取ることになります。
次に財形年金貯蓄は、60歳以降の契約所定の時期から5年以上の期間、年金として受け取るために行う貯蓄の制度です。55歳未満の人なら誰でも制度を利用して貯蓄することができます。退職後、公的な年金を受け取るまでの間の生活資金として活用される方が多いです。
財形住宅貯蓄は、その名の通り住宅を購入したり増改築を行う目的で行う貯蓄制度で、一般財形貯蓄と違い用途に制限があります。こちらも55歳未満の勤労者なら誰でも制度の利用が可能です。
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は、税金面での優遇制度があり、両者あわせて元利の合計550万円までは利子などが非課税になります。
財形貯蓄と自分で定期預金、どちらがいい?
財形貯蓄と自分で定期預金をするのはどちらがいいのか、財形貯蓄の制度がある会社に勤めている人はちょっと悩んでしまうかもしれません。これは自分の将来に対する考え方などによって違ってきますが、まずは自分がその会社にどれくらい勤め続けるのかについて考えてみましょう。
財形貯蓄の制度自体は、例えその会社を退職しても二年間なら次の会社に引き継ぐことができますが、退職後に新たに勤める会社が必ずしも財形貯蓄の制度を採用しているとは限りません。
財形貯蓄を始めるのなら若いうちからが良いでしょうが、若いうちは自分がどの会社に勤め続けるのか、まだまだ道を模索している最中なのではないでしょうか。
ある程度自分の居所が定まり、将来的に持ち家の購入を考えている、公的年金以外にも年金が欲しいといった場合は、財形貯蓄のほうが向いているかもしれません。給料から強制的に天引きされるので、制度を利用していればお金は確実に貯まります。ですが自分の将来についてまだ定まっていない部分が多い、将来的に転職を考えているといった人は、自分で定期預金を組んだほうが自由度は高くなると言えるのではないでしょうか。
どちらを利用するにしろ、自分の将来のビジョンと目的をよく吟味して選びたいものです。
普通預金より効率よく貯めるには貯蓄預金と定期預金のどっちを選ぶ?
普通預金と定期預金の中間型、貯蓄預金
普通預金よりも金利が良いのはいいことだけど、定期預金は満期までお金が引き出せないのがつらい……。そんな人に向いているのが『貯蓄預金』です。あまり聞きなれない名前かもしれませんが、貯蓄預金はまさに普通預金と定期預金の中間に位置した預金方法なのです。
金利は定期預金並みというわけではないですが、普通預金より高めに設定されています。貯蓄預金の金利には大きく分けて二種類あり、預金の残高に応じて段階ごとに金利が設定された『金額階層別金利型』、預金残高が一定額以上の時に金利が高くなる『金額別金利型』です。
そして、貯蓄預金は普通預金と同じようにキャッシュカードを作ることができ、ある程度普通預金と同じように預けたお金を引き出すことができます。そのかわり金額別金利型の場合、10万円型、30万円型などのような基準となる残高を下回ってしまった場合、銀行によってはペナルティ金利が適用されて普通預金より金利が低くなってしまうケースや、月の引き出し回数が決められていることもあります。
また、いくらキャッシュカードを作れるからといって、貯蓄預金の口座を公共料金などの自動引き落とし口座や、給与などの自動受取口座に設定することはできません。
普通預金との間にお金を行き来させるスイングサービス
貯蓄預金にはもうひとつ、便利な機能があります。指定日に普通預金との間でお金を自動的に移動させられる『スイングサービス』がそれです。スイングサービスには『普通預金から貯蓄預金へ』移動させる順スイングと、『貯蓄預金から普通預金へ』移動させる逆スイングがあり、具体的なしくみはそれぞれの金融機関で異なります。
スイングサービスには指定額をそれぞれの口座に移動させる定額の場合と、普通預金の指定残高を超える、または下回った分を移動させる不定額の場合があります。
スイングサービスは、金融機関によって手数料を徴収する場合がありますので、利用の際には手数料がかかるのかどうか、かかる場合はいくらなのかもきちんと確認してからにしましょう。
目標額をきっちり貯めるなら貯蓄預金と定期預金のどっち?
定期預金と貯蓄預金はどちらが良いのか、と言われるとその人の考え方次第になってくるかと思いますが、これだけの期間をかけてこれだけの額を貯めたい、などと預金の期間と目標額がはっきりしている場合は、定期預金のほうが向いているといえます。
というのは、貯蓄預金はある程度自由にお金を引き出すことができるため、強固な意志がなければ目標の期間内に目標額まで貯められないケースが出てくるからです。
その点定期預金は貯蓄預金よりも金利は良いですし、満期まで引き出すことが出来ないですから、始めから目標額と目標期間どおりの定期預金を組んでいれば、途中で解約しない限り否が応でもお金が貯まります。
貯蓄預金と定期預金は、その目的と利便性を考えて使い分けするのがよさそうですね。
定期預金の証書をウッカリ紛失してしまった!さあどうする?
定期預金証書をなくした!そんな時はすぐ届出を
定期預金は証書を作る場合と、口座を証書がわりに使用する場合があります。口座ではなく証書を作った場合、普段使うものではないためどこかにしまいこんだまま紛失してしまった、もしくは万が一の災害などでなくしてしまったというケースが出てきます。
証書を紛失した場合、お金が下ろせなくなるのでは!と心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは落ち着いて窓口までしょう。印鑑と本人であることを確認できる運転免許証などを持ち、窓口へ行って紛失届の提出と、証書の再発行手続きをすることになります。
本人確認に時間を要しますが、無事に再発行されればお金は引き出せます。証書の再発行には、銀行により手数料がかかることもありますので、普段からしまう場所を決めてまずなくさないよう心がけたいものです。
証書にするか通帳にするか
普段使わない証書にするより、よく使う通帳のほうがありかを把握しているからと、証書の代わりに通帳への記入を選ぶ人もいます。これは、証書や通帳をどう管理しているかの個人差によりますが、通帳はあちこち持ち歩くため、紛失の可能性がより高くなるとも考えられます。
ただし、通帳の場合は住所変更や印鑑の変更があった時に、手続きが一度に済ませられるという大きなメリットもあります。証書の場合はそれぞれの証書ごとに窓口での手続きが必要となるため手間がかかります。
自分が普段、通帳やその他の書類をどのように扱っているかについても考えた上で、証書にするか口座にするか選び、通帳も証書も紛失しないよう大切に保管しましょう。
一般には知られていない、企業の定期預金は財務諸表にこう書かれる!
定期預金を組む企業もある
定期預金は、何も個人だけに向けたものではありません。中小企業などでは銀行に定期預金を組み、それを担保に融資を受けるなどといったケースがみられます。
企業の定期預金は、企業名であったり社長の個人名であったりさまざまですが、個人で組む場合に比べて様々な会計上の処理が必要となります。ですが、会社の運用資金は出し入れが自由にできる普通預金に入れておき、余った資金を普通預金より金利の高い定期預金にするという使い方をする企業は多くあります。
企業の定期預金は財務諸表にどう書くか
ところで、財務諸表という言葉をご存知でしょうか。一般的には『決算書』と呼ばれるもので、いわゆる企業の成績表のようなものです。これを見れば、今その企業の経営状態がどのようになっているのか、わかるようになっています。
この財務諸表には、企業が契約している定期預金についてももちろん記載しなければなりません。そして、定期預金の満期日によってその記載方法が異なります。
まずは定期預金の満期日が、企業の決算日の翌日から一年以内の場合は、『流動資産』に該当します。しかし満期日がそれを超える場合は、定期預金は流動資産ではなく『固定資産』となり、そのように記載しなければなりません。
そして定期預金を組んでいることにより得る利子についてですが、利子はあらかじめ税金を差し引かれた額を受け取っています。この時の税金の内訳は国税と地方税ですが、これらは法人税や法人住民税を前払いしているということになり、会計処理をする時には『仮払税金』として処理されます。そして決算期に控除されるという方法が取られています。
詳しい知識なく決算書を読み解くのは難しいですが、決算書を公開している企業があれば、流動資産と固定資産の項目にも着目して見てみましょう。
税務署の目が気になる人は知っておいて損はない、定期預金と贈与の話
税務署は預金にどう関わってくる?
定期預金など、お金を運用する際に気になってくるのは税務署のこと。正直税金には詳しくないし、税金がかかるのなら少ない金額で押さえておきたいとは誰しも思うことかと思います。
自分の名義で自分のお金で定期預金をし、自分で使う分には税金のことはさほど気にせずとも大丈夫です。押さえておくべきは利子はあらかじめ所得税が天引きされた残りの分が支払われているという点くらいでしょう。利子の税金を自分で申告する必要はありませんが、これを知っておかないと把握している金利でつくはずの利子より低い額になっている!と思い込んで銀行側と無用なトラブルになることもあります。
税務署が今現在の個人の預金を全て把握しているかどうか心配する人もいますが、相続などなんらかの大きなお金の動きがあった時に金融機関に調査をお願いすることがあるくらいです。
ここでポイントなのは、『大きなお金の動きがあった時』。預金の名義人が亡くなって預金を誰かが相続することになった、というケースが真っ先に考えられますが、それ以外にも『多額の金額を誰かに贈与した時』にも税務署が関わってきます。
子供のためにと思ったことが……
よくあるのが、子供の将来のためにと子供の名前で定期預金を組んで、将来それを子供に渡すというケースです。今では本人確認が厳しくなり、本人以外の名義で定期預金を組むことは難しくなりましたが、昔はよくあることで、親が作った自分名義の定期預金があるという方は案外いるものです。
親子間だし、子供の名前で預金を組んでいれば税金はかならないのでは?と思う方がいらっしゃるようですが、現実はなかなかそうはいきません。
特に親が幼少期の子供名義で組んだ定期預金は、実際に預金する人は親であり、預金されるお金も親のものです。通帳と印鑑が親のものである限り、それは親の預金であるとみなされます。
ならば正式に親から譲ってもらえばよいのでは……ということになりますが、たとえ親子間であっても年間110万円以上の贈与には贈与税がかかってきます。
税務署に疑われないために贈与の証拠を残す
ならば親が作った子供名義の定期預金を解約し、子供の口座に毎年110万を超えないように少しずつ移動したらいいのでは?という方もいらっしゃるでしょうが、税務署はそう甘くはありません。
もし親が亡くなった時には相続税の調査がありますが、その時にその子供の預金が本当に本人のものであるかどうかについても、追求されます。その時、子供の預金について『これは年間110万以内の範囲で、毎年親から贈与されたお金なのだ』と説明したところで、その証拠がなにもなければ税務署はなかなか首を縦にふりません。
税務署に認められるよう証拠を残すには、日付の入った贈与契約書を作っておくことも大切ですが、最も簡単なのは親が自分の通帳を通じて子供の口座にお金を残し、どちらもその通帳を保管しておくこと。通帳に『親から子供へ、贈与税の適用されない範囲で贈与しました』という証拠を残すのです。
ただし、毎年一定額のお金を相手に贈与していると『毎年○万円の金額を受け取る権利』を贈与されたとみなされ、その総額に対して贈与税がかかってくるケースもあります。
一番確実な方法として考えられるのは、あえて110万円を少し超える額を贈与し、申告をして贈与税を少し支払っておくという手段です。この場合、きちんと正式に申告して贈与税を支払っているわけですから、本人の財産であると認められるというわけです。
定期預金をするなら知っておくべき『源泉分離課税』と利子の関係
『預金に税金がつく』のしくみ
あなたは『預金にも税金がつく』と聞いたことはないでしょうか? せっかく貯めてる預金なのに、それにすら税金がかかるなんて……と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
正しく言うとこの話、税金がかかるのは預金することで増えていく利子の部分です。預金している元々のお金には、相続時など特別なケースを除き税金はかかりませんが、利子は収入とみなされて税金がかかってくるのです。もちろん、定期預金の利子にも税金はかかります。
申告の必要がない『源泉分離課税』
銀行の利子に税金がつくと言われても、その税金を自分で納めた記憶はないですよね。実は私達が受け取っている利子は、すでに税金が差し引かれた後の金額なんです。利子への税金は、預けたお金に利子がついた時に、その利子を払う銀行が税金の分を差し引いて、預金者のかわりに納税するという方法がとられています。この仕組みを『源泉分離課税』と呼びます。
『源泉分離課税』では利子を受け取った時にはもう税金の支払いが完了しているので、株などのようにわざわざ確定申告する必要はありません。ただ銀行に預けているだけで、必要な税金はきちんと納めているということになります。これは非常に便利ですよね。
知っておかないとトラブルの元にも
この『利子に税金がかかる』『受け取る利子は税金を天引きされた後の金額である』ということを知らないと、定期預金をした時に思わぬトラブルとなることがあります。
銀行の案内などで大きく示されている金利は、課税前の金利であることが多く、課税の件についてはその下などに小さく記載されていることが多くあります。そのため課税前の金利をみて『これだけ利子がつくんだ』と思い込み、いざ課税後の利子を受け取って『書いてあった金利と違ってる』となってしまうトラブルです。
普通預金の金利をはっきり知っている人はあまりいないため課税の件について気がつく人はそういませんが、定期預金ははっきりと金利がどれくらいであると数字が示されていることが多いため、そのようなことが起きてしまうというわけです。
銀行側の説明に問題のあるケースも考えられますが、定期預金を利用する前にその仕組みなどについてしっかり調べ、自分できちんと把握しておくことが大切です。
始める前にきちんと押さえておきたい、定期預金はこんな仕組み
定期預金のしくみを知ろう
多くの人が、銀行への預金には普通預金と定期預金があることをご存知でしょう。普通預金がある程度貯まったら、そのうちいくらかは定期預金に移し変えるなどと使い分けている方もいらっしゃるようです。
しかしどちらかというと、普通預金との違いを特に深く考えず、『普通預金より利息がいいみたいだから』でなんとなく定期預金をしている方や、好きな時に自由に引き出せないなんて不便だ!と普通預金しかしていない方、通帳の後ろのほうによくわからないページがあるけどこれ何だ?という方のほうがまだまだ多数派ではないでしょうか。
定期預金は、預金を開始してから一定期間の引き出しができない代わりに、元本保証や普通預金より高い金利などのメリットがある預金の形です。通常、銀行の総合口座を開設した場合、普通預金と定期預金がひとつになった通帳を受け取るはずです。普通預金の口座しか使っていない人は、通帳の後ろのほうをめくってみてください。ちょっと見慣れないページがあるかと思いますが、そこが定期預金の記帳ページです。
定期預金を預け入れる期間は、銀行によって取り扱いが異なりますが、最短は一ヶ月、一番長くて10年間です。満期日は自分で決めることもできます。
また、定期預金の大きな特徴として、満期までの期間は原則として預金の引き出しはできません。どうしても貯まった預金を途中で使いたいから、定期預金を続けるのが難しくなったからなどの様々な理由で解約するときは、ペナルティがついて金利が低くなりますが、元の金額を下回ることはありません。
定期預金の金利には満期まで金利が変わらない『固定金利』と、半年ごとにみなおす『変動金利』の二種類があります。金利は預けておく期間や金額により異なり、預け入れ金額が大きい大口定期になると金利は高くなりますし、預ける期間が長くなると金利も高め設定です。
利息のつき方にも二種類あり、預け入れの期間が一ヶ月以上三年未満の場合、預けたお金だけに利息のつく『単利』、それ以上の期間は、預けたお金と利息に、さらに利息のつく『福利』になります。
定期預金のメリットとデメリット
定期預金のメリットは、安全に着実に貯蓄ができる点でしょう。定期預金をしている最中に万が一銀行が破綻してしまっても、一千万円までの定期預金は法律で保護されているため安心です。ただし一千万円を越えて定期預金を組んでいる方は、注意が必要です。
数年後、まとまったお金が必要になりそうだからなど、はっきりした目的のある人は、その期間まで定期預金を組んでおけば、しっかりと確実に貯めておくことができます。『自由に引き出せない』ことは定期預金のデメリットに見えますが、必要なお金を確実に貯めておくという意味合いでは、それは大きなメリットとなるでしょう。
定期預金は、預金の流動性が制限されることを考えると、『ただなんとなくお金を貯めておきたい』人よりも、はっきりと具体的な目的がある人のほうが向いていると言えます。